登録 : 2015.09.24 04:22 修正 : 2015.09.26 17:06

安養市農林畜産検疫本部構内の庭の花壇の縁石の間にあるアリの巣の入口に集まっている日本オオアリたち。少し大きく見えるアリたちは、働きアリの中でも兵隊アリだ//ハンギョレ新聞社
 京畿道安養(アニャン)市の万安(マナン)警察署交差点と顕忠祠(ヒョンチュンサ)通りの間にある農林畜産検疫本部構内の庭は桜の名所で知られている。日本の植民地時代の1942年、ここにあった朝鮮総督府家畜衛生研究所支所から始まり、名前だけを変えながら、これまで続いてきた。その歴史を知らなくても、一群の桜の木の真ん中にそびえ立つ胸高の直径が1メートルを超える巨大な柳を見るだけで、誰もがこの庭園の歴史が短くないことを推測できる。

 最近約7000平方メートルに及ぶ敷地内の庭と、その下の地中が、この庭園の歴史ほど古い、日本オオアリの巨大な帝国である事実が確認された。その名前とは異なり、このアリは韓国の固有種だ。名前に「日本」がついたのは、日帝時代に日本の学者によって命名されたからだ。住宅周辺や公園、山地の乾燥した草原なのでよく見かけられる日本オオアリは、韓国に生息する蟻120種のうち、最も大きい種類で、体長が最大15ミリメートルに達する。

 去年の春、国立生態園に展示する熱帯アリの検疫問題で畜産検疫本部を訪れた時、休憩を取ろうと庭に入ったチェ・ジェチョン国立生態院長の目に、尋常でない光景が繰り広げられた。日本オオアリが庭園の散策路周辺に数十匹群がっていた。アリたちは、歩道と花壇の間に張り巡らされた縁石を、まるで高速道路のように利用しているようだった。アリの生態を紹介した『アリ帝国の発見』という著書で有名なアリ専門家の探究心がくすぐられた。

 チェ院長が本部構内をゆっくり回りながら見てみると、本部の建物の前の庭全体を日本オオアリが占領していた。膨大な数のアリが生息していたが、別の群が集まっている際に、しばしば発見される群体間の戦争の痕跡は見当たらなかった。チェ院長はすぐに簡単な実験に入った。

 <チェ・ジェチョン国立生態園院長が年末に安養畜産検疫本部の庭で
 50年前に始まった日本オオアリの巨大な群れを発見

 「生態系の物質循環の全過程が見られる
 展示場としての活用、保全の価値が高い」と評価
 “帝国の運命”安養市の決択次第

 「遠く離れて活動しているアリの群れの中で、数匹ずつ捕まえて、他の連中の間に落としてみました。互いに群れが異なる場合、戦いが起きますが、何気なく溶け込んでいました。もしかしたら、庭の全体にアリが一つの群れ、すなわち、スーパーコロニー(supercolony)を形成しているかも知れないと思いました」

日本オオアリのスーパーコロニーが生息する農林畜産検疫本部構内の庭を本部建物の屋上から見下ろした様子//ハンギョレ新聞社
 チェ院長の連絡を受けた国立生態園生態進化研究部研究チームの精査結果は、チェ院長の予想通りだった。研究チームは、遺伝子分析を通じて庭の生息する日本オオアリが少なくとも50年前に結婚飛行を終えて定着した一匹の女王アリから出発した家族である可能性が高いという結論を下した。庭の地中に迷路のようにからまったアリの巣は2万〜3万匹規模で知られている日本オオアリの一般的な群れの規模の数百倍である1000万匹以上のスーパーコロニーが巨大な王国を成していると推定された。チェ院長の本の題名通り「蟻帝国の発見」だった。

 チェ院長は「日本や米国など、外国で確認された超群体の規模と比較するほどではないが、それでも大変な規模」とし、「他はどうか分からないが、私の経験では、国内でその程度の規模の日本オオアリ群を直接確認するのは初めてだ」と述べた。

 11日午後に訪れた農林畜産検疫本部構内の庭で最も多くのアリが見られるところは、庭の中央に位置した柳だった。大人2人が互いに腕を回さないと、抱えきれないほど巨大な木の表面は、上ったり下ったりするアリで覆い尽くされていた。木に上るアリの最終目的地は、葉だった。彼らが1、2匹ずつぶら下がっている葉には、例外なく黒い小さな虫が所狭しについていた。

 ノ・プルム国立生態園生態進化研究部専門委員は、「黒い虫はワタアブラムシの種類」だとし「アリたちがテントウムシのようなアブラムシの天敵からアブラムシを保護し、アブラムシはアリが甘い汁を提供してくれることで、互いに共生している」と話した。

 敷地内の庭の中の歩道やその周りのあちこちには、蟻たちが巣穴を掘るために押し出した土砂が積もっていたり、チェ院長が見たとおり、縁石に沿って長さ1センチメートル前後のアリが忙しく行き交っていた。たまに見える1センチメートル以上の大きなアリは働きアリの中でも兵隊アリだった。

農林畜産検疫本部構内の庭の柳の木の葉で共生する日本オオアリとヒゲアブラムシ=チョ・ヨンチョル生態写真家提供//ハンギョレ新聞社
 国立生態園でアリ探検展を進めているチェ院長は「農林畜産検疫本部の庭は生息するアリ群の規模が巨大だけでなく、アリがまるで花壇の縁石を高速道路に利用しているように、縁石に沿って動いているため、アリを観察して研究し、教育するのに非常に適している」とし、「ここの蟻群をしっかり保存できれば、全体生態系の物質循環がそのまま見られる、韓国はもちろん、国外でもほとんど類を見ない生態教育や展示の名所になるかもしれない」と語る。

 都心の真ん中に数十年間存続してきたであろうと推定される、アリ帝国の運命は安養市にかかっている。農林畜産検疫本部が今年末、慶尚北道金泉(クムチョン)に移転することになると共に、安養市が蟻の群れの生息地を含む本部の跡地5万6000平方メートルの新しい所有者になるからだ。畜産検疫本部が移転したことをきっかけに、ここで大規模な開発事業でも行われれば、アリの帝国は消えるしかない。

 安養市役所都市整備チム・スイム主務管は「安養市が2018年5月までに購入代金1293億ウォン(約130憶7000万円)の分納を完了して、この地の所有権を譲り受けてから活用する方策としては、公共機関と商店街が一緒に入る官商複合タワーITベンチャー団地、留保地公園など、様々な提案をめぐり検討を進めている」としながらも、「まだ何も決まっていない」と語った。

安養/キム・ジョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-09-22 19:45

http://www.hani.co.kr/arti/society/environment/709959.html訳H.J

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