原文入力:2009-06-29午後07:47:26
キム・ソンファン記者,リュ・イグン記者
米国の大型牛肉屠殺・加工メーカーが病原性大腸菌‘O157’(E.coli O157:H7)に感染した牛肉を流通させ全量回収(リコール)に入った。感染が疑われる牛肉は国内にも輸入され、市中で売られているが防疫当局は何の措置もとれずにいる。
米国農務部は28日(現地時間)コロラド州グリーリーに本部を置く肉類業者の ‘JBSスィフトビーフ’ が病原性大腸菌O157に汚染されたと疑われる牛肉172tをリコールしたと発表した。この業者は先週初めにも同じ理由で19tを回収した。回収対象は去る4月21~24日間に加工された切断肉(焼き物用ステーキとプルコギ),ひき肉(ハンバーガーなどを作る挽き肉)等で、米国だけでなく全世界に売られた。米国食品安全検査局(FSIS)は「最近米国で発生したO157患者24人の中で18人がスィフト社の加工した牛肉を食べて病気にかかったようだ」と明らかにした。
問題になっているスィフト社の牛肉は国内にもすでに流通していることが確認された。農林水産食品部関係者は「問題になったスィフト社の作業場で去る4月21日生産した牛肉が計189t(10件)輸入され、この中5~6t程度がO157感染が疑われる牛肉と思われる」と説明した。しかし政府はスィフト社の牛肉を回収できないものと見られる。現行食品衛生法上、O157のような病原性大腸菌はひき肉から検出された場合のみ検疫不合格措置を下せるが、公式的にはひき肉は輸入されなかったためだ。代わりに切断肉などとして輸入された牛肉が国内食品業者や飲食店などでひき肉として使われる場合は日常茶飯事だ。農食品部関係者は「問題のスィフト社牛肉の流通経路を追跡し製品試料を採取した後、精密検査を行って菌が検出されればひき肉として使うことができないように措置を取る」と話した。
これに対して、パク・サンピョ‘国民健康のための獣医師連帯’政策局長は「市中に流通するひき肉の場合、履歴追跡ができる個体識別番号を確認するのが難しく現実的に汚染有無を切り分けるのに限界がある」として、政府の粗末な輸入牛肉検疫体系を批判した。
スィフト社はタイソンフード(Tyson Foods),カーギル(Cargill)と共に米国の3大牛肉加工メーカーに挙げられる。今回問題になったスィフト社の‘969作業場’は昨年12月腐った牛肉を我が国に輸出し輸入検疫過程で摘発されたことがある。しかし国立獣医科学検疫院は去る4月米国の牛肉輸出作業場22ヶ所に対する現地点検の後「969作業場は米食品安全検査国が検証した改善プログラムを施行しており安全性を確保していることを確認した」という報告書をだした。
キム・ソンファン,リュ・イグン記者hwany@hani.co.kr
原文: 訳J.S