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生きている権力には結局…“ハン・サンリュル 帰国しても調査せず”

原文入力:2009-06-13午前10:26:47
検察 “税務調査宥和 失敗したロビー” 釘を刺す
チョン・シニルのみ不拘束起訴に止まり ‘龍頭蛇尾’
前地検長 取調べ終結 ‘身内庇護’ 指摘

キム・ナムイル記者

←‘パク・ヨンチャ ロビー’ 事件を捜査したイ・インギュ大検察庁中央捜査部長(中央)と捜査チームが12日午後、ソウル,瑞草洞の最高検察庁記者室で捜査結果を発表している。左側からイ・ドンヨル先端捜査課長,ウ・ビョンス中捜1課長,イ中央捜査部長,ホン・マンピョ捜査企画官,イ・ソクファン中捜2課長。 キム・ミョンジン記者littleprince@hani.co.kr

検察が ‘生きている権力’ に鋭いメスを突きつけることはできないという予想ははずれなかった。パク・ヨンチャ前テグァン実業会長のための税務調査および捜査宥和ロビーには、大統領の最側近が登場し政権最高実力者もかかわった事実があらわれたものの、検察は12日龍頭蛇尾に終わった捜査結果を発表した。‘失敗したロビー’ として早目に線を引いたそのままだ。

税務調査宥和ロビー過程に登場する人物らの面々を見れば、典型的な権力型不正に近い。イ・ミョンバク大統領の最側近であり、大学同期のチョン・シニル セジュンナモ旅行会長がハン・サンリュル当時国税庁長を相手に直接ロビーに出た。当時ハン庁長は参加政府で任命されたという弱点補完と地位保全のために努めていた。‘大運河伝導師’ と呼ばれたチュ・プギル前大統領府広報企画秘書官が巨額を受け取り、大統領の兄であり政権最高実力者のイ・サンドク ハンナラ党議員に何回も電話請託をした事実もあらわれた。

しかし、ここで止まった。検察は本人が帰国しないとし、ハン前庁長を直接調査できず書面調査で代用した。イ議員が実際にロビーやそれに準ずる行動をしたかも確認しなかった。検察は「ロビーが通じなかった」というチュ前秘書官の話を根拠に「イ議員に対する調査は必要でない」と早目に釘を刺した。

捜査チームはテグァン実業に対する税務調査期間に ‘税務調査対策会議’ が10回余り開かれた事実を確認した。パク前会長側が組織的且つ緻密に対応したことを示す内容だ。対策会議ではチョン会長,パク前会長の姻戚であるキム・ジョンボク前中部地方国税庁長,そしてパク前会長側の人々が税務調査進行状況を議論し、それに合わせてロビー戦略をたてた。実際ロビーはこの計画により行われた。チョン会長がハン前庁長を引き受け、キム前庁長が税務調査実務責任者らを担当し ‘同時多発’,‘一対一’ 方式でロビーを進行した。これに伴い検察は異例的に国税庁を押収捜索し主要幹部らを召還し税務調査結果を縮小・隠蔽事実を調査した。

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だが検察は核心関連者らに対する調査に消極的態度で一貫し、結果はチョン会長1人だけを不拘束起訴することに止まった。集中的ロビーの対象だったハン前庁長は去る3月、政・官界ロビー捜査が始まる直前に突然米国に出国した。だが検察は「ハン前庁長は参考人で書面調査でも充分だ」として、ついに召還しなかった。「生きている権力の面倒見」,「不公正捜査」という政界の批判に自らをすっかり委ねたわけだ。ホン・マンピョ大検察庁捜査企画官はこの日「ハン前庁長が ‘税務調査は適法手続きにより進行された’ と答えた」として「税務調査着手の背景は検察の捜査対象ではない」と話した。また「税務調査と関連して十分に陳述を聞いたので、帰国するとしても呼んで調査する計画はない」とした。

最高検察庁は民主党が告発した2007年大統領選挙当時にチョン会長のイ・ミョンバク ハンナラ党候補‘30億特別党費代納’疑惑に対する捜査はソウル中央地検に渡したと明らかにした。「大統領選挙戦資金捜査はしない」と明らかにした通り、この部分は調査しなかったとのことだ。しかし検察内外ではチョン会長本人はもちろん家族および会社関係者の口座を広範囲に調査した検察が、何の端緒もつかめなかったのかという疑問を提起している。

パク前会長から1万ドルを受け取ったミン・ユテ法務研修院研究委員(前全州地検長)に対して取調べ終結処分を下したことについても ‘身内庇護’ という指摘が出ている。

キム・ナムイル記者namfic@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/360233.html 訳J.S