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セウォル号不祥事で更迭された国家安保室長を駐中大使に内定

登録:2015-02-15 21:44 修正:2015-02-16 07:53
朴大統領の“報恩人事”に批判
新政治民主連合「不疎通人事を再考すべき」
キム・ジャンス元大統領府国家安保室長//ハンギョレ新聞社

 韓国政府は近く交替されるクォン・ヨンセ現駐中大使の後任にキム・ジャンス(写真)前大統領府国家安保室長を内定したことを15日明らかにした。セウォル号事故の時、大統領府の未熟な初動対応に対する責任回避発言で更迭されたキム元室長を、1年も経たずに駐中大使として復帰させ、“報恩人事”議論が起きるものと見られる。

 外交消息筋の話を総合すると、キム内定者は中国のアグレマン(接受国の事前同意)を受け次第、早ければ来月にも中国に赴任するという。 政府は韓中関係の重要性を考慮してクォン大使の後任に、重量感のある要人を物色してきたという。キム内定者が安保室長を歴任している間に中国との接触経験が豊富だった点も内定の背景として伝えられた。

 だがキム内定者が昨年5月、セウォル号事故にともなう問責性更迭にあい、僅か9カ月で駐米大使と共に最重要な外交的ポストに挙げられる駐中大使に内定したことで、「セウォル号の民心を無視しているのではないか」という批判が起きている。キム内定者はセウォル号事故直後、大統領府国家安保室危機管理センターが初動対処を誤ったというマスコミの報道に対して「大統領府は災害コントロールタワーではない」という反論を二度も出して“責任回避論議”が起こった。

朴槿恵大統領が2013年大統領府で開かれた第4次貿易投資振興会議を主宰するために迎賓館に入る直前、キム・ジャンス当時国家安保室長の報告を受けている。 カン・チャン・グァン記者

 このために彼の駐中大使内定は同じ人ばかりを繰り返し使う朴槿恵(パク・クネ)大統領の人事スタイルとキム内定者に対する“報恩人事”性格が重なったものと見られる。 キム内定者は2012年の大統領選挙当時、セヌリ党大統領選挙キャンプである国民幸福推進委員会で国防安保推進団長を務め、現政権のスタート後には初代大統領府国家安保室長に任命された。

 また、1992年の韓中修交以来、23年ぶりに軍出身者として初めて中国大使を務めるという点で、外交経験が不足したキム内定者に対する駐中大使としての業務適合性問題も提起されると見られる。 韓中関係はすでに二者関係を越えて、韓米や朝中、米中関係などと複雑に絡む事案が少なくないためだ。

 ユ・ウンヘ新政治民主連合報道官もこの日ブリーフィングを通じて、キム内定者の駐中大使内定について「典型的な報恩人事、回転ドア人事だ。相次ぐ不疎通人事で“人事惨事”を繰り返さないためにはキム元安保室長の駐中大使人選を再考しなければならない」として批判した。

 政府は今回の定期公館長人事で駐ロシア大使も交替すると伝えられた。 ウィ・ソンナク現駐ロシア大使の後任には、外交部高位幹部が内定したという。

イ・ヨンイン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/678511.html 韓国語原文入力:2015/02/15 19:15
訳J.S(1372字)

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