「大統領府の人と接触するつもりだった」
大統領府と朴槿恵(パク・クネ)大統領私邸を爆破すると脅迫した事件は、うつ病など精神健康上に異常がある20代青年が行ったハプニングと結論づけられた。しかし警察はこの青年が「一人で借金をして海外旅行をするなど刑事責任を免じるほど精神健康は悪くなく、事案が重大なうえ再犯憂慮もある」との理由で拘束して捜査することにした。京畿地方警察庁サイバー捜査隊は28日、脅迫および偽計による公務執行妨害容疑でカン氏(22)の逮捕状を申請した。
カン氏は滞在先のフランスで今月17日から23日まで6回にかけソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に朴槿恵大統領私邸を爆破するなどの脅迫文を載せたのに続き、25日には大統領府に5回爆破脅迫電話をかけた疑いをもたれている。カン氏は犯行動機について「大統領府関係者など責任ある人と接触したかった。(脅迫)メッセージを送れば誰かが国家情報院などに申告するだろうと考えた」と警察で話した。しかし政府関係者と接触を望む理由や、話したいことには答えなかったと警察は伝えた。
警察は「カン氏には精神病歴があるが鑑定留置申請をするほどではなく、事案が重大な点から拘束捜査することにした」と説明した。鑑定留置申請とは被告人もしくは被疑者の精神または身体を鑑定するため裁判所が期間を定めて病院などに被告人を移送し鑑定を命じる強制処分をいう。だが警察関係者は「カン氏に共犯やテロ実行意志、テロの準備はなかったことから結論を出した。カン氏は落ち着いて供述しているが、辻褄の合わない非論理的な話をするので正常な状態でないことはすぐ分かる」と明らかにした。
2012年12月から議政府(ウィジョンブ)306補充隊を経て釜山所在の第六軍部隊で軍生活をしたカンさんは翌年3月から精神疾患で病院治療を受け、同年8月に精神健康上の不安で「依家事除隊」(個人的事情による兵役免除)した。その後に兵役変更処分され釜山のある区庁で公益勤務をしていたが、昨年3月に付近マンション出入口にあった紙屑に火をつけて現住建造物放火未遂容疑で立件され、懲役1年6カ月執行猶予2年の刑を宣告された。カン氏は第2金融圏(消費者金融)で500万ウォン(約55万円)を借り、先月13日に携帯電話と財布だけ持って着の身着のままで出国し、父親の説得で27日帰国し警察に逮捕された。
韓国語原文入力:2015.01.28 22:48