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「死んでまで海の中に…」オリョン号遺族たちの慟哭

登録:2014-12-26 20:15 修正:2014-12-29 12:07
「30年間、懸命に海で働いてきたのに
死んでまで海の中に。
あまりに哀れだ」
ベーリング海で沈没したトロール漁船「501オリョン号」 (思潮産業提供)//ハンギョレ新聞社

 26日午前10時30分頃、釜山西区岩南(アムナム)洞の甘川(カムチョン)港第2埠頭。 今月1日、ロシアの西ベーリング海でスケトウダラ漁をして沈没した「501オリョン号」に乗った外国人生存船員6人と遺体21体を載せたロシアの魚類運搬船「オーディーン号」(5000トン級)が甘川港21番桟橋に着岸し、埠頭にいた韓国人船員の家族約15人が胸を打って号泣した。

 コ・チャンウン行方不明者遺族非常対策委員長は「オリョン号に乗っていた11人の韓国人船員のうち5人がまだ海にいる。 捜索に参加した船も31日に撤収すると聞いた。 政府はロシア政府の協力を得て、さらに事故海域を捜索できるようにしてほしい」と訴えた。 これに先立ち501オリョン号の船主である思潮産業は「来る31日0時にロシア海域の入漁期間が終わるので、行方不明の船員を捜索している船舶は31日に全て撤収する」と明らかにした。

 出入国、検疫、税関の通関手続きを終えた6人の外国人生存船員が固い表情で埠頭に降り立った。 韓国人船員家族のうち1人が「行方不明の私の夫を知っているか。 当時の状況はどうだったのか、話を聞かせてほしい」と外国人船員に慌ただしく尋ねた。 外国人船員たちは口を硬く閉ざして、あらかじめ準備された車両に乗って釜山影島(ヨンド)区の影島病院に向かった。

 この日、甘川港に到着した外国人生存船員は、インドネシア人3人、フィリピン人3人だ。 彼らは影島病院で健康診断を受けた後、27~28日の二日間参考人身分で釜山海洋警備安全署で沈没当時の状況などについて調査を受ける。

 イ・ヒョンチョル釜山海洋警備安全署捜査専門担当班チーム長は「退船当時の状況と退船が遅れた理由など、韓国人船員家族が気にしている点を捜査する予定だ。オリョン号の沈没原因を糾明することに注力する」と話した。 釜山海洋安全署は外国人船員の陳述に基づいて事故原因などを調査した後、30日に結果を発表する予定だ。

 生存外国人船員と共に移送された21体の外国人船員の遺体は、釜山市釜山鎮(ジン)区の市民葬儀場に安置された。 釜山海洋安全署は遺体を検死し、身元確認手順を踏んだ後、特別な問題がなければ各国の大使館に引き渡す予定だ。

 釜山海洋安全署関係者は「海洋安全署と釜山海洋安全審判員など職員3人が今月24日にロシアのペトロパブロフスク・ カムチャツキーに向けて出国した。 職員たちはオリョン号に乗っていて沈没事故後に救助されたロシア監督官に対する調査を行う計画」と話した。

 501オリョン号沈没事故で乗船人員60人のうち7人が救助され、韓国人6人など27人が亡くなった。行方不明者は26人だ。 韓国人船員6人の遺体は現在事故海域を捜索中の「96オヤン号」に安置されていて、来月10日頃に釜山に戻る予定だ。

釜山/キム・ヨンドン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/670898.html 韓国語原文入力:2014/12/26 15:38
訳J.S(1365字)

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