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セウォル号の生存生徒たち “ストレス障害”悪化

登録:2014-12-11 08:45 修正:2014-12-12 06:32
高麗大学安山病院の心理評価結果
6か月経っても不眠症等に苦しむ
2~8か所の病院に通う…後続対策が必要
セウォル号事故25日目の5月10日午後、安山市の高校生たちが「セウォル号犠牲者追悼と真実を明らかにする国民キャンドル行動」に先立り、安山文化広場に挽章を掲げて行進している。安山/イ・ジョンヨン記者 //ハンギョレ新聞社

 4月16日、沈没するセウォル号から辛うじて脱出した京畿道安山の檀園(タンウォン)高校2年の女子生徒Kさん(17)は、毎週、精神科、外科、皮膚科、内科、耳鼻咽喉科と5つの病院で治療を受けている。しかし、夜毎に友人たちの悲鳴に目をさまし、脱出当時けがをした腰の痛みはなかなか取れない。同じ学校の2年生N君(17)も、沈没する船の中に友達を置いて脱出したという罪悪感にさいなまれ、8か月近く精神科の治療を受けているが、ときおり自殺衝動まで感じている。

 セウォル号でかろうじて生き残った檀園高校2年の生存生徒75人のうち、相当数がこのような苦痛を抱いていることが明らかになった。高麗大学安山病院精神医学科のハン・チャンス教授が、事故直後に治療を受けた生存生徒74人のうち38人を対象に実施した心理評価の結果報告書を9日に公開した。

 報告書によれば、事故直後と1か月後、6か月後の3回にわたって実施した心理評価において、生存生徒たちは、初期に急性ストレス障害の症状を見せ、事故から1か月が過ぎてから徐々に回復したが、6か月後は症状が再び悪化していることが分かった。

 ストレス検査の場合、80点中15~20点以上ならば専門家の相談が必要だが、生存生徒たちの平均点数は事故初期に32点、1か月後には21.5点に徐々に下がったが、6か月後には24.8点に再び上がっている。また、4点以上であれば眠れない“不眠”と判断される尺度検査でも、事故初期6.8点、1か月後3.3点と症状が軽くなったが、6か月後は6.3点で再び高くなっている。

4月16日午前、全羅南道珍島郡鳥島面の屏風島北方20キロの海上、沈没している旅客船セウォル号(6825トン級)上空でヘリコプターが救助作業を始めている。 珍島/連合ニュース

 ハン教授は「外傷後ストレス障害(PTSD)は、一般的に事故後10~12週までは軽くなり、その後再び症状が悪化する傾向がある。他の生存生徒たちも同じような様相を見せている」と話した。また、「こういう時点で治療がきちんとなされなければ、ストレスが慢性化したり、うつ症、不安症、衝動調節障害などの疾病につながる可能性がある」と説明した。

 しかし、政府は彼らに対し、今年末までの支援策を提示しただけで追加措置がなく、保護者たちは心配している。生存生徒の保護者代表であるチャン・ドンウォン氏は「私たちの調査では、生存生徒75人のうち52人が2~8か所の病院に通っている。特に男子生徒34人の場合、将来軍隊に行かなければならないわけだが、持続的治療のための政府の後続対策がなく、状況はさらに悪化している」と語った。

キム・ギソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/668347.html 韓国語原文入力:2014/12/09 22:11
訳A.K(1217字)

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