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ベトナム参戦「枯れ葉剤戦友会」会員が打ち明ける政治集会動員の実態

登録:2014-10-02 10:11 修正:2014-10-03 06:24

人数を揃えられなければ“命令不服”
1週間ぶっ続けで参加させられることも
「私たちの気持ちだって穏やかではない…」

「枯れ葉剤戦友会」の内部公文書 //ハンギョレ新聞社

 ベトナム戦争に参戦して枯れ葉剤の後遺症に苦しむ元兵士たちのための親睦、互助、自活を目的に作られた「枯れ葉剤戦友会」が、様々な政治集会を主催して会員たちを動員している実態が内部公文書(写真)から明らかになった。国家から財政支援を受ける枯れ葉剤戦友会は関連法により政治活動が禁止されている。だが、彼らはセウォル号デモに対抗した“応戦広報”をしたり、教育監(長)の直接選挙制廃止運動などに頻繁に動員されたり、“ユク・ヨンス女史(朴槿恵大統領の母親)40周期追悼式”などの行事にも指示を受けて参加した。こうした政治集会に組織的に動員された会員の二人がインタビューに応じた。

「セウォル号デモの応戦集会に出て行った私たちの気持ちが穏やかなはずがないでしょう」

 先月30日に会った枯れ葉剤戦友会会員のA氏(66)は重い口をようやく開いた。A氏は枯れ葉剤戦友会の会員証と国家有功者証を記者に見せた。ベトナム戦に参戦した彼はソウルのある支部に所属し、会員の慶弔事などを取りまとめて誰より熱心に活動してきた。

 A氏は枯れ葉剤戦友会が政治集会などに会員を動員していることに、内部ではかなり不満があると打ち明けた。「支部ごとの参加人数を決めた公文書が送られてくると、それに合わせて集合する。動員数を満たせなければ“命令不服”と強く圧迫される」のだという。彼は多い時は一週間ぶっ続けで政治集会に出て行ったこともあると言った。8月にソウル高裁が、内乱陰謀容疑で拘束起訴され裁判を受けているイ・ソクキ統合進歩党議員に一部無罪を宣告すると、連日のようにソウル瑞草(ソチョ)洞の裁判所前で開かれた糾弾集会に参加しなければならなかった。A氏は「団体は目的に合わせて親睦などをしなければならないはずなのに、70歳を越えた老人たちが集会に動員されなければならない理由が分からない」と話した。

 枯れ葉剤戦友会会員のB氏(64)も、上級団体である支部が政治活動を要求することに強い不満を現わした。「内部でも不満が多い。 枯れ葉剤後遺症に苦しみ歩くのもままならない人たちを集会に呼び出していいのか」と訴えた。彼は「会員は生活している地域の親睦団体として活動すべきで、政治的な活動をしてはいけない」と語った。

 彼らは枯れ葉剤戦友会が政治的に偏向し過激な行動を日常的に行う団体に思われるのを心配した。A氏は「軍服姿でサイレンを鳴らして都心を歩き回って威圧感を与えていることに、市民や外国人がとても不安に思っている。私たちがなんの法的根拠でこんな政治活動をするのか理解出来ない」と語った。

 彼らは枯れ葉剤戦友会は本来の設立目的に戻らなければなければならないと繰り返し強調した。Bさんは「私が属した支部の場合、地方自治体で支援される金額は会員1人当り年間2万ウォン(約2千円)に過ぎない。政治介入ではなく会員の福祉増進により多くの関心を持ってもらいたい」と話した。

 A氏も「私たちが声をあげるとしたら、ベトナム戦参戦給与を国家が出さなかったり、苦しむ人々を放置することに抗議すべきであるのに、今はとんでもない方向に向かっている」と心配した。

特別取材チーム (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.10.02 08:08 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/657952.html 訳Y.B(1375字)

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