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[社説] 軍隊内暴力が繰り返されるしかない理由

登録:2014-08-25 00:43 修正:2014-08-25 10:23

 軍は都合の悪い事件が発生すると、できるだけそれが外に漏れないよう努める。それでも事件が外部に知れた場合には、軍の特殊性を掲げて隠蔽・縮小に乗り出す。それでも波紋が止まらず拡大すると、責任者を何人か切り捨てて、再発防止のための根本対策を立てるかのように大仰に言う。そのうち世間の関心が別のことに変わると、こっそりと元の姿に戻る。

 自分たちの既得権を削りかねない根本的な制度改善は徹底的に無視し、‘偽装術’に近いこうしたことを続ける限り、軍隊内の暴力を防ぐのは山で魚をとるようなものだ。8月初め、28師団のユン一等兵暴行死亡事件をきっかけに激しく沸き上がった軍隊内暴力事件も、ローマ教皇の訪問やセウォル号をめぐる政変に焦点が移っている間に再び元に戻る兆しを見せている。

 代表的な例が22日のハン・ミンク国防部長官主宰で開かれた「兵営文化革新高位級懇談会」だ。懇談会の内容も内容だが、前日まで「軍司法制度改善高位級討論会」と予告されていた行事が兵営文化革新に突然変わったことからしておかしい。軍の司法制度改善要求に対する軍当局の強い抵抗感がうかがえる。

 実際この日の会議で軍司法制度改善問題については‘頭隠して尻隠さず’と言われても仕方の無い方案が示されただけだったという。軍の司法制度改善の事案である指揮官の減軽権問題は、軽微な事件だけを減軽できないようにし、重大事件については現状を維持しようという意見が出たと言われている。また軍の判事でもない一般将校が裁判官として参加する審判官制度の改善についても、裁判官は法務将校のみが担うものの、陪審員は一般将校も参加する案が提示されたという。ヨーロッパの一部国家で行われているような、軍事裁判所と一般裁判所を一体化するところまでは一挙に行けないとしても、師団級に設置するようになっている軍事裁判所を地域別に広域化し、指揮官の恣意的介入を減らして指揮官の刑の減軽権を厳格に制限すべきという市民社会の要求にはあまりに物足りない内容だ。

 軍当局はこのように軍隊内の暴力を実質的に防止できる制度改善には消極的である一方、実践力が疑われる話はここぞとばかりに訴える。新任のキム・ヨハン陸軍参謀総長は、人権侵害行為が持続的に起きている部隊は解体すると話したが、果たしてこの発言を聞いてまともに信じる人がいるだろうか。

 制度改善は遅々と進まないのに、大口だけ叩いていても軍隊内暴力を根絶することはできない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/652455.html 韓国語原文入力:2014/08/24 18:17
訳T.W(1151字)

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