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「保護関心兵士との相談、巡回査察中に二言三言話すケースが殆ど」

登録:2014-06-22 22:27 修正:2014-06-23 07:03
21日午後、東部戦線最前方GOP(一般哨所)で哨兵が同僚兵士たちに向かって小銃を乱射し、武装脱営する事故が発生した。 翌日午後2時20分頃、部隊から10kmほど離れたところで脱営したイム兵長と捜索チーム間に交戦が行われた。 リュ・ウジョン記者

軍隊不適応者をGOP(一般哨所)に投入 「病歴管理に穴」指摘
イム兵長、‘B級関心兵士’転換から一ヶ月後にGOPに投入

 東部戦線一般哨所(GOP)で除隊を3ヶ月後に控えた現役兵長が銃器を乱射し手榴弾を爆発させ13人の死傷者が発生した。今回事故を起こした兵士は昨年末までGOP勤務投入が不可能なA級‘保護関心兵士’(関心兵士)であったことが確認され、部隊の病歴管理に穴があったのではないかという指摘が出ている。

 国防部によれば21日午後8時15分頃、江原道(カンウォンド)高城(コソン)の22師団GOPでイム・某(23)兵長が昼間勤務を終えて小哨(生活館)に復帰し、同僚兵士たちに向かって手榴弾1発を爆発させK-2小銃10余発を撃ち5人が亡くなり7人が負傷した。事故後に逃走したイム兵長は翌日の22日午後2時23分頃、捜索遮断作戦に出動した軍と遭遇するや再び銃を10余発発射し、また別の軍幹部1人を負傷させた。

 イム兵長が同僚兵士たちに銃を撃って逃げた具体的な動機と経緯はまだ明らかになっていない。 軍当局者は「イム兵長と周辺同僚兵士たちを調査した後に正確な真相が分かる。 状況が整理され次第、具体的な調査が進行されるだろう」と話した。 しかし軍服務不適応兵士である関心兵士に分類されたイム兵長を、無理にGOP勤務に投じたのではないかという指摘が出ている。

 軍当局の説明を聞いてみれば、期間満了を3ケ月後に控えたイム兵長は、昨年1月に現在の部隊に転入した。イム兵長は同年4月にこの部隊で受けた性格検査の結果、A級関心兵士に分類された。 しかし11月に再検査を受けた時はイム兵長の軍部隊適応が好転し、B級関心兵士に変更された。

 通常、軍は関心兵士をA級関心兵士(特別管理対象)とB級(重点管理対象),C級(基本管理対象)の三段階に分けて管理している。 A級関心兵士はGOP勤務が不可能だ。 B級関心兵士からは部隊指揮官の判断により勤務投入可否が決定される。GOPは銃器と実弾を所持して敵と対峙する緊張した戦闘態勢を維持しなければならないなど危険が伴うためだ。

 イム兵長の部隊は同年12月からGOP勤務に入り、イム兵長はB級関心兵士に転換された後、一ヶ月後にGOP勤務に投入された。 GOP勤務投入兵力の確保のために、イム兵長を性急にB級関心兵士に上方修正したのではないかという疑問が提起される内容だ。 これに対して軍当局者は「イム兵長が部隊で口数も少なく内省的なので、性格を明るくするために副分隊長を任せた。 すると同僚らとの口数も増えて快活になった。 その結果、11月の性格検査でB級関心兵士に変更される程に良くなったと理解している」と話した。

 しかし関心兵士であったイム兵長に対して、体系的な関心と管理がなされたかも疑問だ。 実際、現場の関心兵士に対する管理実態についてよく知る人々は、部隊指揮官がイム兵長のような関心兵士に関心を持って管理することは困難なのが現場の現実だと話す。 GOPで小隊長勤務経験を持つある予備役将校は「関心兵士は週何回ずつか決まった回数の相談をすることになっているが、実際にはなされないケースが多い」として「時間もなく疲れて単独面談は難しく、巡回査察中に二言三言話すのがほとんど」と話した。

 軍当局は兵士たちの殴打および銃器事故など、各種事故の予防のために2007年から兵営生活専門相談官制度を導入し運営している。 また、一般兵士の性格検査を定期的に実施して、自殺の恐れがある兵士の場合、精神科軍医官との相談を経て病院入院治療を受けさせたり‘ビジョン キャンプ’および‘グリーン キャンプ’に入所して人格教育と心理治療を受けさせる制度も導入している。 しかし実際の成果は期待に沿えていないと言う。

 実際、国家人権委員会は昨年11月‘軍服務不適応兵士の人権状況改善関連政策勧告’を出し「調査の結果、軍服務不適応兵士の45.5%が兵営生活専門相談官と面談した経験がないと答えた」として、相談人材の不足を指摘したことがある。 実際の兵営生活専門相談官は2012年基準で、全軍に148人が配置され、1人当り年平均1030人余に相談し、全体将兵人員対比での相談率は17%に留まっている。 人権委は部隊指揮官の不適応兵士管理および相談力量も劣ると診断した。 軍幹部の38.8%が不適応兵士を理解し管理するための教育を受けたことがないと調査されたのだ。

 今回の事故が起きた約2時間後に軍警合同警戒態勢である‘珍島犬1’が発令されたことに対して、のろま対処ではないのかという指摘も出ている。 軍当局は21日午後8時15分に事件が発生したが、1時間57分が経過した午後10時12分になって珍島犬1を発令して22師団全地域に対する軍警合同作戦に入った。 軍当局者はこれについて「事件が発生した後10分後に軍団まで報告され、20分後には師団次元でイム兵長の逃走経路に対する遮断線を設定するなど自主対応をした。 ぐずぐずした対応ではなかった」と説明した。

パク・ビョンス先任記者、キム・ウェヒョン記者 suh@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/643537.html 韓国語原文入力:2014/06/22 20:42
訳J.S(2376字)

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