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[高陽市外バスターミナル火災] 防火シャッター 作動せず、非常口には施錠…セウォル号の教訓は生きなかった

登録:2014-05-26 22:35 修正:2014-05-27 07:18
映画館 観客待避後に‘火災放送’
待避マニュアル作動できず人命被害が拡大
26日午前、京畿道(キョンギド)高陽市(コヤンシ)一山東区(イルサントング)白石洞(ペクソクトン)の高揚市外バス総合ターミナル地下1階フードコート工事現場で火災が起こり、黒煙が7階建ての建物全体を覆っている。 この火災で6人が亡くなり40人余が負傷した。 高陽/ニュース1

 26日に発生した京畿(キョンギ)高陽(コヤン)の市外バス総合ターミナル火災は、セウォル号事故を体験しても尚私たちの社会が相変らず‘危険社会’の真ん中にいることを如実に見せた。 セウォル号のように海でもない都心で、わずか30分の火災で6人が煙に窒息して亡くなり、40人余りが負傷した。 5人は重態なので死亡者が増えることもありうる状況だ。 事故発生地点や時間帯、消防隊員のアクセシビリティなどを考慮する時、多数の人命事故につながる可能性は低いのに、被害が大きくなった原因を巡って専門家たちは‘安全不感症’ではなく‘安全不感病’水準に達したと指摘している。

 「セウォル号事故からいったい何を学んだのか。」この日、火災現場から慌ただしく脱出したキム・某(37)氏は怒りを爆発させた。 当時、キム氏は5階のメガボックス映画館にいた。 「映画を観ていると、突然非常灯が点灯しました。 外に出たところ、煙が出ていて異様なにおいがしました。 それで周囲の人に急いで出なければならないと話しました。」当時、キム氏のように映画を観ていたは2館で30人余りだった。

 しかし映画館は観客たちが午前9時5分頃に火災の発生を知って脱出するまで、何の案内もしなかった。 「このような大型映画館で窒息して死ねと言うわけもないのに、どうして案内をしないのですか。 あまりに腹が立って本社に電話すると、私たちは案内放送とかそのようなシステムはないと言いました。」平素からこの映画館を頻繁に訪れて建物の構造を知っているキム氏は、5階から外部に連結された階段を通じて外に脱出した。 メガボックス側は「当時、火災の有無確認のために建物の防災室に連絡をしていた」と話した。

 高陽市外バス総合ターミナルは、大型映画館とマートなどが入居しており、利用客が多いのに火災対策は脆弱だったことが明らかになった。 工事中という理由で地下1階と地上1階の間の防火シャッターが作動せず、煙はあっという間に階段とエレベーターを伝って上階に上がった。 救助に出動したある消防隊員は「工事をしているので防火シャッターの作動を止めていたようだ。 それで煙があっという間に上階に上がった」と話した。 高陽市外バス総合ターミナルは、地下1階と地上1階でリモデリング工事をしていた。 また、来月13日に開店を控えてロッテアウトレットの内部工事も真っ最中だった。

 イ・ソクトン又松(ウソン)大消防防災学科兼任教授は「溶接作業のために防火シャッターの作動センサーの作動を止めていた可能性がある」と話した。 溶接過程で発生する煙などで火災着信音が鳴ることを防ぐために感知装置を止めておくケースが多いということだ。

 防火シャッターが作動しなかったため、高温の有毒ガス煙は急速に上階に拡散した。 チョン・ギシン世明大消防防災学科教授は「火災時に煙の垂直移動速度は1秒当たり3~5mだ。 煙の温度もやはり初期には300~500度まで上がる」と話した。 チョン教授は「食堂インテリア工事には主に化学成分が多く含まれた内装材を使うが、そのために有毒ガスが大量に発生する」とし「電気溶接を行う時、火の粉が飛び散る場合に備えて防炎シートを敷かなければならず、監督者の立ち会いの下で作業をしなければならないなど安全基準が定められているのに、これを守らなかったものと見られる」と話した。

 案内放送は今回も遅れて行われた。 4階で工事をしていたキム・某(30)氏は「天井に電灯の設置作業をしていると煙が出てきた。 火災が起きて2~3分が過ぎてから案内放送が流れたようだ」と話した。 この日午前、ホームプラスを訪れたムン・某(33)氏は「9時頃にエレベーターに煙が途方もなく入ってきて、本能的に上階に逃げなければならないように思えて、何階でも構わず押したが、それが3階だった。 3階は外部に通じていて煙も少なく待避していると、9時5分頃になって火災が起きたので待避するよう放送が流れた」と話した。 普段から多くの人々が利用する空間であるのに、実際に火災が起きればすぐに基本的なマニュアルがまともに作動せず人命被害を増やしたわけだ。

 ロッテアウトレットの内部工事が真っ最中の現場に実際に入ってみると、階毎に‘安全保健状況版’に火災関連配置図と非常待避路案内が貼られていたが、工事に参加した多くの人々は待避通路を熟知していなかった。 A4用紙に‘非常待避路’という文字とともに緑色の矢印が描かれていたが、これも逆に貼られてとんでもない方向を示していた。 匿名を要請したある工事作業者は「作業現場に動員されて、その日の仕事をして行く私たちが、どうして分かって待避できるか。 火災が起きればどうしろという説明は全く聞いていない」と話した。

 荷物を送るためにターミナルにしばしば出入りしているキム・某(49)氏は「普段1階の降車場と2階乗り場の出入り口の大部分が閉じられていた。 その上一部は非常口もロックされていた。 それで事故の可能性が高いと考えていた。 2階のトイレ付近で死亡者が発見されたと言うが、2階の乗り場に出て行くドアがほとんどロックされていたので、慌てた人々が煙を避けて右端にあるトイレ側に待避したが、結局そこが行き止まりで被害に遭ったと見られる」と話した。 高陽/ソ・ヨンジ、イ・ジェウク記者、ソン・ホギュン記者 yj@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/639173.html 韓国語原文入力:2014/05/26 20:59
訳J.S(2410字)

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