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[単独]‘5・18戒厳軍 発砲’、中学教科書には記述なし

登録:2013-05-22 20:44 修正:2013-05-23 00:30
歴史教科書 17種 分析結果、5種のみ "市民に発砲" 叙述
‘民主化運動’評価もなく…‘イルベ’で歴史を習う生徒たち

 中学校歴史教科書の相当数が5・18民主化運動を叙述する部分で戒厳軍の発砲と死傷者発生などを明確に記述していないことが分かった。これでは 中学生が5・18民主化運動の意味を正しく理解できないという指摘が出ている。

 パク・ヘジャ民主党議員が21日、中学校歴史教科書17種を分析した結果、戒厳軍が市民に発砲した事実を明確に記述した教科書は5種だけだった。 3種は死傷者(犠牲者)が発生した事実を明確に表現していなかった。 当時、新軍部が言論統制と交通遮断をしたという事実を書いた教科書は4種に過ぎなかった。

 教科書7種は‘5・18が民主化運動の基礎になった’とか‘世界の人の手本になった’というなどの歴史的意義を明確に評価する内容を入れなかった。 2012年に検定を通過した教科書9種の中で3種は5・18記録物がユネスコ世界記録遺産として登載(2011年5月)された事実を抜かした。

 志学社が発行して今年から中1が使っている‘中学校歴史2’教科書を見れば、5・18関連叙述が "全南(チョンナム)光州(クァンジュ)では大学生と市民が戒厳解除と民主主義憲政体制の回復を要求する大規模デモを展開した。 戒厳軍がこれを暴力的に鎮圧すると学生と市民は市民軍を組織して抵抗したが、結局戒厳軍によって武力で鎮圧された" という叙述が全て。 148字に過ぎない。 戒厳軍が市民に発砲したという事実を明確に書く代わりに‘暴力的鎮圧’という曖昧な表現を使った。 市民が戒厳軍の銃撃などで死亡した事実もはっきり書かず "武力で鎮圧された" とだけ書いた。

 金星出版社が出した‘中学校歴史2’教科書も "新軍部は戒厳軍を投じて光州地域の大学生のデモを鎮圧した" と書き、戒厳軍の発砲事実が明確にあらわれず、歴史的意義を評価したりユネスコ登載事実を記録する内容もなかった。

 反面、良い本新思考出版社が発行した‘中学校歴史2’教科書は志学社より3倍程多い601字で5・18民主化運動を叙述した。 表現にも "戒厳軍の発砲で死傷者が発生し、一部市民は武器を持って対抗した…不当な暴力に抵抗した民主化の意志は今日世界の人の手本になっている" と明確に説明した。

 現在の中学校2・3学年は2007年改正教育課程の適用を受けて2011年8月に検定を終えた歴史上・下教科書(8種)を、中学校1学年は2009年改正教育課程の適用を受けて2012年8月に検定を終えた歴史1・2教科書(9種)を習っている。 大多数の学校では1年間かけて教える。

 パク・ヘジャ議員は「最近起こっている5・18民主化運動蔑視にも生徒たちが影響を受けずに正しい歴史観を持つためには教科書が重要だ。 生徒たちが5・18民主化運動の重要性を理解できるように、その意味を明確に指摘し生き生きと教科書を執筆する必要がある」と話した。

キム・ジフン記者 watchdog@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/588508.html 韓国語原文入力:2013/05/22 09:04
訳J.S(1393字)

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