本文に移動

"便器筒は人権侵害" 国家に損害賠償請求訴訟

登録:2013-03-11 21:55 修正:2013-03-11 23:54
社会活動家ソン・ギョンドン氏など45人が提起
"目隠しなく監視カメラ 羞恥心"
"違憲" 判定後 警察 7年前 交換に乗り出したが
62%が依然として改善されずに放置

*便器筒:留置場内の開放型トイレ

一部の留置場では未だに'開放型便器'が設置されている。

 警察署の留置場内にある開放型トイレ、いわゆる‘便器筒’のために人権を侵害されたとし、社会団体活動家たちが国家を相手に損害賠償請求訴訟を起こした。 警察が留置場のトイレを密閉型に変えると言って7年が過ぎたが、全国警察署の半数以上がトイレを改善しなかったためだ。

 韓進重工業整理解雇撤回のための希望のバスを企画したソン・ギョンドン詩人とヨム・ヒョンチョル環境運動連合事務総長、イ・ガンシル韓国進歩連帯常任代表など45人は「ソウル中部警察署など全国21の警察署留置場トイレが遮蔽施設が充分でなく用便を足すたびに羞恥心と当惑感、屈辱感を感じ、留置場監視カメラが24時間撮影しており人権を侵害された」として国家を相手に慰謝料50万ウォンずつを賠償しろとの損害賠償請求訴訟を11日ソウル中央地裁に出した。

 彼らは 「留置場内のトイレは上下が全て開放されており、出入り口が設置されているだけで目隠しが小さく低いために、用便を足す人の身体の一部が監視警察官などにもろに露出している。 そのために留置場に収監されている間、相当な羞恥を感じながら用便を足すなり、こらえなければならなかったとし、他の人が用便を足すたびに不快感とおぞましさを感じざるを得なかった」と話した。

 留置場のトイレが人権を侵害しているという指摘はこの間継続的に提起されてきた。 これに伴い、2001年 憲法裁判所は 「留置人らの動態に対する監視が必要だとしても、監視が可能な範囲で、より開放的でない構造の施設設置が不可能ではない」として、警察のトイレ設置・管理行為に対して違憲決定を下した。 5年後の2006年、警察庁は憲法裁判所の決定趣旨に則り‘留置場設計標準規則’を改正しトイレを密閉型に変えることにした。

 だが、天主教人権委員会が警察庁に情報公開を請求した結果、昨年8月現在で全国警察署留置場112ヶ所の中で密閉型トイレが一つもない所が70ヶ所(62.5%)に達し、全体トイレ925ヶの内、密閉型トイレは116ヶ(12.5%)に過ぎないことが明らかになった。 憲法裁判所が違憲決定してから12年が過ぎ、警察が関連規定を変えてからでも7年が過ぎても改善されていないわけだ。 去る2月には国家人権委員会が「留置場トイレの一部が用便を足す時に発生する音と臭いを遮断できていない」として警察庁長官に施設改善勧告を下しもした。

 訴訟を提起した人々はまた、留置場に設置された監視カメラについて「関連法には電子映像装備で収容者を警戒保護することは自殺などの憂慮が大きい時のみ行なえると規定されているにも関わらず、警察は常時的に監視カメラを作動しているので現行法に違反している上に、留置人の幸福追及権と私生活の自由を侵害した」と主張した。

 今回の訴訟は天主教人権委の‘故ユ・ヒョンソク弁護士公益訴訟基金’の支援を受けて、韓進重工業と双龍(サンヨン)自動車整理解雇者、障害者活動家、半額授業料デモを行って連行された大学生らが参加した。

パク・テウ記者 ehot@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/577597.html 韓国語原文入力:2013/03/11 21:22
訳J.S(1492字)

関連記事