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クネノミクス、創造経済・経済民主化‘二つの翼’で飛ぶ

登録:2013-02-25 20:46 修正:2013-02-26 00:24
就任辞に見る経済政策
"科学技術世界水準 引き上げる"
新成長動力として‘創造経済’提示
概念曖昧…5年以内の成果も不透明
長官候補者 非難など すでに陣痛
朴槿恵(パク・クネ)大統領が政府代表および国家有功者などと共に25日午前ソウル銅雀区(トンジャクク)の国立顕忠院(ヒョンチュンウォン)を参拝し歩いて出て来ている。 パク・ジョンシク記者 anaki@hani.co.kr

 朴槿恵(パク・クネ)大統領が25日就任辞で韓国経済の低成長傾向に対する代案として‘創造経済’を、両極化深化に対する解決策として‘経済民主化’を提示した。 この両翼を通じて‘経済復興’、すなわち‘第2の漢江(ハンガン)の奇跡’を成し遂げられ、国民幸福時代を切り開くというのが‘朴槿恵ノミクス’(朴槿恵式経済路線)の骨子だ。

 まず朴大統領はわが国の経済の新しい成長動力として科学技術と情報通信(IT)産業を色々な分野に組み合わせ付加価値を高めるという創造経済を掲げた。 朴大統領は「創造経済は科学技術と産業が融合して、文化と産業が融合して、産業間の壁を崩した境界線に創造の花を咲かせること…融合の根拠地の上に新しい市場、新しい働き口を作ること」と説明し、そのために「私たちの科学技術を世界的な水準に引き上げる」と語った。 創造経済を導く主体として新設される未来創造科学部を提示してもう一度力を加えた。

「大企業・中小企業が共生できるように」
‘経済民主化’就任辞で再登場
‘公正な市場秩序’に意味を限定
労働・福祉政策に消極的態度‘限界’

 これと共に「創造経済が花咲かせるには経済民主化が成り立たなければならない」と明らかにした。 朴大統領の選挙運動期間に核心スローガンであった‘経済民主化’は、去る21日に発表された国政課題集から用語自体が消え、経済民主化意志が後退したのではないかという批判を受けた。 就任辞で再び言及したのはこのような論議を払拭させようとする意図と見える。 経済民主化は‘公正な市場秩序’と定義された。 就任辞ではこれを「熱心に努力すれば誰でも立ち上がれるよう中小企業育成政策を繰り広げ、大企業と中小企業が共生できるようにすること」「小商工人と中小企業を挫折させる各種の不公正行為を根絶し過去の誤った慣行を正すこと」と説明した。

 これを通じて朴大統領は窮極的に「国家発展と国民幸福が好循環する未来を作る」と約束した。 こういう‘好循環’に対する強調は、成長至上主義に対する迂迴的批判と解釈される。 国政課題集でも経済成長モデルを既存の輸出・製造業・大企業中心から内需・サービス業・中小企業との均衡成長に切り替えると明らかにした。 ‘成長後福祉’ではなく‘成長と福祉の循環’関係に認識を変え、経済成長の目標を‘成長率’から‘雇用率’に変更するという方針も入っている。

 これは李明博政府が追求した‘MBノミクス’からは大きく旋回したものだ。 李明博大統領は5年前に就任辞で 「経済再生が何より至急だ」として‘小さな政府、大きな市場’、減税、公企業民営化、規制緩和、市場開放など親市場・親企業政策を前面に押し出した。 だが、経済成長の果実を少数の輸出大企業と高所得層が独占し、これに対する批判と代案が去る大統領選挙の主要議題に浮上し、朴大統領は‘経済民主化’議題を受け入れることによって支持層の外縁拡張に成功した。

 このような方向旋回は2008年金融危機以後 全世界に広がった‘新自由主義’に対する批判を意識した側面もある。 朴大統領は就任辞で「グローバル金融危機以後、資本主義もやはり新しい挑戦に直面している」と指摘した後、「共同の利益のために一緒に力を集めること」 「共同と共有の人生」 「責任と配慮があふれる社会」などが「方向を失った資本主義の新しいモデルになるだろう」と話した。 李明博政府の保守主義が英国保守党サッチャー政府の市場万能主義、新自由主義路線に近いとすれば、朴槿恵政府はサッチャー以前の英国保守党の路線だった‘温情的保守主義’に近いと解釈される部分だ。

 このような政策転換は現在我が社会が抱いている両極化、経済力集中などの問題を勘案する時、意味あることとして評価する価値はある。 だが、経済民主化を‘公正な市場秩序’に限定し、両極化解消のための政府の介入範囲を最小化した点、経済民主化と並行実施しなければならない労働政策・福祉政策が消極的に提示された点などは朴槿恵ノミクスの保守主義的限界を見せる点だ。 また、新しい成長動力として前面に掲げた‘創造経済’の概念が曖昧で、5年以内に達成しにくい長期的・根本的課題という点、最も重要な推進主体である未来創造科学部キム・ジョンフン長官候補者が各種の物議にまきこまれ、すでにリーダーシップが疑われている状況などは創造経済がややもすれば虚しいスローガンに終わりかねないという憂慮をもたらしている。

アン・ソンヒ記者 shan@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/575475.html 韓国語原文入力:2013/02/25 20:19
訳J.S(2181字)

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