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正規職働き口が消えた20年 地方国立大生に何が…

[2012大統領選挙 萬人譜] 国土縦断 民心紀行
③‘就職 針の穴’江原大学生たち

原文入力:2012/10/09 22:15(1531字)

秋の春川(チュンチョン)では太陽より霧が先に出た。 江原道(カンウォンド)を代表する国立大学である江原大にも霧がたちこめていた。 去る9月17日キャンパスのあちこちに懸けられた垂れ幕が霧の中にはためいていた。

 ‘合格をお祝い申し上げます。イ・○○ -新韓銀行’今年新韓銀行公開採用に合格した4人の江原大生の名前が掲げられた。 別の垂れ幕もある。 ‘9級公務員合格者名簿-キム・○○、パク・○○、チョ・○○…’下級公務員になった江原大生20人余りの名前が記されている。

 彼らは運が良い方だ。 「同期10名中の1名が就職して、1人は卒業だけして、8人は卒業を先送りして休学しました。」卒業を前にしてこの大学新聞放送学科のある4年生が話してくれた。

 江原大経済学科81年度入学生で母校教職員として仕事をするイ・サングン(50)氏はこのような光景に馴染めない。 「以前なら司法試験・行政高等試験に合格してこそ垂れ幕がかかりましたよ。 韓国通信(KT)に4級で採用されても垂れ幕なんて懸かりませんでしたよ。」

 去る20年間に何が起きたのかは‘別図’に行けば分かる。学生たちは別館図書館を‘別図’と呼ぶ。 5階建て建物の中で4・5階を600席余り規模の閲覧室にした。

「以前なら司法試験・行政高等試験に合格してこそ

キャンパスに垂れ幕が懸かったが…"

この頃は銀行合格でも垂れ幕がはためく

 24時間開放された別図には卒業生たちが集まる。 江原大は2010年から‘卒業生会員制’を運営している。 卒業生でも予置金5万ウォンを出せば学校図書館などを利用できる。 ‘会員証’のある卒業生は現在600人余りだ。

 別図に集まった江原大卒業生の境遇は互いに似ている。 <ハンギョレ>アンケート調査に応じた26人の卒業生の内、14人は就職経験が全くなかった。 残りの12人の内 10人は非正規職として仕事をしたが辞めた。

 別図で教師任用試験を準備するパク・ミスク(仮名・31)氏は2年間 期間制教師として仕事をしたことがある。 「友人どうし就職したかを尋ねるのでなく、正規職なのか非正規職なのかを尋ねます。 それがより重要だからです。」 彼らにとって正規職への熱望は大切だ。 パク氏は人間扱いを受けて生きたいという青春の夢をあきらめることはできない。

 そのような夢を抱いた大卒失業者が大統領候補を見る定規は‘共感’だ。 「競争だけさせておいて自分の実力を拡げる場所がない構造を私たちの社会が作った」と話した安哲秀(アン・チョルス)無所属候補にパク氏は心惹かれる。 「非正規職の悲しみにあったことが自分が能無しだからではないと私が理解できる言語で言った政治家でした。」

 9級公務員試験に備えるホン・ジョンホ(仮名・28)氏の定規も似ている。 ホン氏は文在寅(ムン・ジェイン)民主統合党候補に期待を寄せている。 「特殊戰司令部に行ってきたじゃないですか。厳しく困難なことに自ら耐えられた人であるから、私たちの境遇もよく理解できるでしょう。」アルバイトを転々として就職準備で苦しむ地方大生は大統領に理解して欲しいと願っていた。

春川(チュンチョン)/チン・ミョンソン、ホ・スン、チョ・エジン記者 torani@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/555069.html 訳J.S