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‘英才教育しなければならないので児童センターは部屋を空けろ’…佗びしい低所得層の子供たち

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/551118.html

原文入力:2012/09/11 08:18(1645字)

仁川(インチョン)教育庁傘下の教育文化会館
無償賃貸した児童センターに退去要求
"低所得層の子供たちはどこへ行けば"

 低所得層の子供たちの放課後教育を受け持っている国公立地域児童センターの一つである仁川(インチョン)ウォルディ児童センターが追い出される危機に処した。 この児童センターが入居している市教育庁傘下の仁川学生教育文化会館(以下 教育文化会館)が英才教育のための教育施設を作るとして事務室を空け渡してほしいと通知したためだ。

 仁川、中区庁が設立して大韓聖公会遺児財団に運営を委託しているウォルディ児童センターは2009年、中区、仁峴洞(イニョンドン)教育文化会館の1階一部を無償賃貸により開所した。 現在、基礎生活受給権者または、次上位階層世帯の小・中学生50人余りが放課後保育サービスを受けている。 設立当時、施設費など7200万ウォンの予算が投入され、毎年政府と区庁が1億2000万ウォン余りの運営費を支援している。

 民間地域児童センターの羨望を買ってきたウォルディ児童センターが危機を迎えたのは先月17日 教育文化会館側が無償賃貸契約の延長を拒否してからだ。 教育文化会館は契約満了時点である10月31日までに事務室を空け渡してほしいと通知した。 この空間は音楽など芸術分野の英才教育施設として使う方針だと伝えられた。

 無償賃貸が終了すれば、保育サービスの全般的な質の低下が憂慮される。ウォルディ児童センターは民間の地域児童センターと比較する時、約2倍の予算規模だが、ほとんどが専門調理士と専門指導教師の雇用など人件費に投入されている。 ノ・ヒョンスク ウォルディ児童センター長は「外部に入居して不動産賃貸料が発生すれば、子供たちの食べ物と教育の質が低下せざるを得ない」と話した。 ノ センター長はまた「一般施設と同居しているので、低所得層の子供たちだけが利用する他の地域児童センターより子供たちが気楽に利用してきた」として「何より子供たちがここを去ることを願わない」と話した。

 教育文化会館の設立趣旨を見てもウォルディ児童センターを追い出すことが適切でないとの指摘も出ている。 この会館は1999年に児童54人の命を奪った仁川、仁峴洞ビヤホール火災事件を契機に低所得層の子供たちの放課後活動を支援する趣旨で建設された。 当時、放課後に行く所がない低所得層児童たちがここに集まっていて災いにあった。 ナ・クンヒョン仁川市教育長も去る4月、教育文化会館を訪問して「文化的に疎外された子供たちのための文化福祉を実践できるようにしなさい」と話した。

 教育文化会館関係者は「以前から外部機関に無償賃貸することに対する公平性問題の指摘があったが、無償賃貸期間を延長してきた」とし「児童センターがより良いところに移り定着することを願う」と話した。 だが、ウォルディ児童センターは新しい場所を用意するための予算も確保出来ていない状態だ。 教育文化会館の管理・監督機関である仁川市教育庁関係者は「教育文化会館で決めたことなのでコメントはできない」と話した。

 ソン・テスク児童政策研究所長は「疎外階層児童を世話する施設の無償賃貸期間を増やしてもまだ足りない時に、出て行けというのはあってはならないこと」としながら「児童福祉の現住所を見せる事態であり残念だ」と指摘した。 チョン・ギョンヒ仁川、中区議会議員は 「低所得層の子供たちのための施設を追い出して英才教育施設を作るということを見れば、公正社会は遥か彼方のことに感じられる」と話した。 イ・ジョングク記者 jglee@hani.co.kr

原文: 訳J.S