原文入力:2012/08//28 22:07(1454字)
外交部 "賠償請求権、当分 仲裁委に回付せず"
MB 独島(トクト)訪問以後 最悪に登りつめる韓-日関係 意識
領土問題に焦点移動、慰安婦問題の深刻性には知らぬフリ
政府が日本軍慰安婦被害者の賠償請求権解決努力をしないことは憲法に反するという憲法裁判所決定が下されてから30日で1年になる。 しかし、この間進展があったことは何もない。 むしろ日本では慰安婦強制動員を認めた1993年‘河野談話’を否定する発言までが出てくるなど既存態度から後退する兆しが鮮明だ。 慰安婦問題が依然として解決の兆しを見せられないことには日本社会の右傾化とこれに便乗した日本保守政治家に依る部分が大きいが、これに対しまともに対応できないわが政府の責任もやはり小さくないとの批判が出ている。
外交通商部当局者は28日、日本軍慰安婦被害者の賠償請求権問題と関連して 「当分、慰安婦問題を1965年韓-日請求権協定にともなう仲裁委に回付しないことにした」と明らかにした。 この当局者は「(仲裁委回付などは)日本の内部事情などを見守って決めること」とし「仲裁委を通じた解決は韓-日請求権協定にともなう最終的な紛争解決手続きであるだけに最後の可能性を残しておくことにした」と話した。
政府は昨年の憲法裁判所決定以後、1965年韓-日請求権協定紛争解決手続きにより日本に2度(2011.9.15,2011.11.15)にわたり2者協議を提案した経緯がある。 李明博大統領も昨年12月、韓-日首脳会談で野田佳彦総理に慰安婦問題の解決を促した。 しかし日本は「慰安婦問題は請求権協定で最終解決された」という態度を守った。
それでもわが政府がこの問題の仲裁委回付を遅らせることを決めたのは、李大統領の独島訪問以後、最悪に上り詰める韓-日関係を意識したためという分析が出ている。 外交部が昨年11月に設けた‘韓-日請求権協定対策諮問団’の前日の会議では「待っていても日本の態度が変わる兆候が見えない以上、仲裁委回付で請求権協定に基づく手続きを終えて国際世論に訴えるなど次の段階に進まなければならない」という意見が提起されたと伝えられた。 政府のある当局者は「私たちが道徳的に有利な慰安婦問題を前面に出して韓-日の過去事を解決していくべきだったのに、李大統領の独島唐突訪問で焦点が領土問題に移った。 反倫理的犯罪次元で接近しなければならない慰安婦問題の本質が薄れて残念だ」と話した。
李大統領のいくつかの発言も誤解を呼び、慰安婦問題への対応に混線を招いた。 李大統領は3月と5月の2度にわたり内外信記者会見で慰安婦問題と関連して「法的にでなくとも人道主義的措置を日本政府は必ずとらなければならない」と話した。 これは恩恵授与的な‘人道的措置’ではなく‘法的責任認定’を要求してきた慰安婦被害者の立場や政府の公式立場とは外れたものだ。 イ・シンチョル成均館(ソンギュングァン)大教授は「政府は昨年8月の憲法裁判所決定後に慰安婦問題を提起して、最近突然この問題と論理的連係のない独島問題を突出的に持ち出すなど一貫性なく接近している」と語った。
パク・ビョンス先任記者 suh@hani.co.kr
原文: 訳J.S