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"性経験有無を訊くのははなぜ…? あえてそこまで" 屈辱の診療、産婦人科

原文入力:2012/07/02 22:15(2297字)

女性が不快な産婦人科
"検査する時、わずらわしい、率直に言いなさい" 屈辱与える医療スタッフ
受付から診療・手術まで医療スタッフの露骨発言に羞恥心
事前避妊薬 処方せん必要だが…
女性たちに心理的負担が大きく悩み
患者に配慮する医療指針など必要

 去る6月、政府は事前避妊薬を専門薬と分類する薬事法改正案を発表した。 この法案が国会を通過すれば、女性たちが産婦人科を訪ねる機会はさらに多くなりうる。 これに対して女性たちは産婦人科に行くこと自体を避けたいと感じる社会の雰囲気を指摘した経緯がある。

 韓国女性民友会が産婦人科診療経験のある女性210人を相手にアンケート調査した結果は、産婦人科診療に対する女性たちの恐れが実際に広範囲に広がっているという事実を確認させる。 質問の特性上、回答者の身上と具体的な被害日時・場所などを明らかにしてはいないが、女性たちは産婦人科で体験した羞恥と不快を質問用紙にぎっしりと書いた。

 シン・ジウン(仮名・36)氏は先日産婦人科で感じた屈辱感が生々しい。 子供を産んで定期検診のために訪問したシン氏に医師はそれとなく‘手術’を薦めた。 「出産をした後だから夫婦関係を長く維持したければこの際、手術をしなさい」と話した。 医師が薦めたのは夫婦関係のために女性性器を整形する手術だった。「配慮のためなのか、ふざけたのか分からない提案」だったとシン氏は話した。









 実際、アンケート調査に応じた女性たちは診療が始まる受付から堕胎経験または、性経験を尋ねる恥ずかしい質問を受けたと証言した。 ある女性は 「診療受付時‘おりものが多くなったので病院にきた’と話したところ、受付の看護師が大きな声で‘性病ですね’と言って非常に不快だった」と書いた。

 診療開始後にも羞恥心を与える医療スタッフの発言が続いたと回答者は書いた。 特に 「性経験があるか」と尋ねる医療スタッフの態度に当惑したと女性たちは明らかにした。 ある女性は 「性経験がない」と答えると「検査する時わずらわしい。 率直に言いなさい」という医師の言葉を聞いた。  「それからはできるだけ産婦人科には行かないようにしている」とこの女性は明らかにした。

 医療スタッフが性経験の有無を尋ねるのは関連診療に必須の情報であるためだ。 しかし性経験があろうがなかろうが「なぜそのような情報が必要なのかを事前に説明せずに、いきなり尋ねられて不快だった」というのが初めて産婦人科を訪問した女性たちの異口同音だ。 女性民友会の調査を見れば、産婦人科訪問当時に性経験があったケースは69.5%、なかったケースは29.5%であった。

 子宮頸部癌検査を受けに行ったある女性は「結婚していないなら処女膜が傷つく場合があるので検査するな」という医師の言葉を聞いた。 自身を配慮してくれるようでもあったが‘処女性’云々する発言に羞恥心を感じたと回答者は書いた。 「何度したか」「最近はいつしたか」「初めての経験がいつか」「ボーイフレンドのほかにセックス パートナーがいるか」等を何気なく尋ねることは礼儀正しい側に属した。 彼らが記録した医療スタッフのこんな発言はそのまま書き写すのもきまり悪いほどだ。

 「性器の形が本当に美しい。旦那がむやみにしないようだ。」「胸が小さくて写真に写るかどうか分からないね。」「幼いのになぜ産婦人科にきたの?」さらに体毛が多いことを見て「旦那が好んだんだろう」という言葉を聞いたケースもあった。








 患者より医師を中心に作られた診療環境に対する女性たちの糾弾は続いた。 脚を上に向けたまま横になるようになっている産婦人科の‘診療椅子’を回答者は‘屈辱椅子’、‘懲罰椅子’と呼んで不快感を示した。 ある女性は「診察台に足を拡げて上がること自体が非常に不快で、二度と行きたくない」と書いた。 子宮ガン検査のために病院を訪れた女性は「医師が入ってくる前に下着を脱いで足を拡げて準備していたし、続けて入ってきた医師は何の説明もなしで診療道具を膣内に入れて検査した」と不快感を表わした。

 ‘心から産婦人科を心配する医者たちの集い’のチェ・アンナ スポークスマンは「産婦人科診療は特に鋭敏な分野であるので性経験の有無など具体的な情報がなぜ必要か、診療過程はどのように進行されるのかを詳細に説明して意見を求めることは当然の手続き」として「産婦人科の診療サービスが非常に良くなっているとしても、依然として一部の患者の目の高さにあわせる上で不足した点がある」と話した。

 女性民友会は今月中に1000人余に対する実態調査最終結果分析が終われば専門医・保健専門家などと懇談会を開いて患者に配慮する産婦人科医療指針を作って配布するなど‘産婦人科変えるプロジェクト’を続ける計画だ。 キム・インスク韓国女性民友会共同代表は「なぜ女性たちが産婦人科に行くのに負担感を感じるのか具体的に確認し今後のより良い産婦人科診療文化を作り出す」と明らかにした。 <ハンギョレ>は‘女性が不快な産婦人科’を‘女性が幸せな産婦人科’に変えるための情報提供と意見を集め関連報道を継続する予定だ。

オム・ジウォン記者 umkija@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/540616.html 訳J.S