原文入力:2012/05/21 21:13(1644字)
←環境運動連合と反核釜山対策委などの市民団体代表者とチョ・ギョンテ民主統合党議員、キム・チェナム統合進歩党当選者らが21日午前、国会政論館で古里(コリ)・霊光原子力発電所事故被害模擬実験結果を発表している。 イ・ジョンウ先任記者 woo@hani.co.kr
"古里原発事故が釜山を襲えば85万人が死亡・628兆ウォン被害"
朴勝俊(パク・スンジュン)関西学院大教授
国内初の原発事故被害予測
"経済的被害 628兆ウォン に達する"
韓水原 "無理な仮定" 反論
釜山、機張郡(キジャングン)古里原子力発電所で旧ソ連のチェルノブイリ原発事故規模の事故が起きた場合、風の方向によっては最大85万人が癌で亡くなり、628兆ウォンの経済的被害が発生するという分析結果が出た。
日本関西学院大学総合政策学部 朴勝俊教授は21日、国会政論館で環境運動連合、チョ・ギョンテ民主統合党議員などと一緒に開いた記者会見で、古里と全南(チョンナム)霊光(ヨングァン)郡の霊光原子力発電所で事故が発生した状況を仮定したシナリオ別の人命・経済的被害分析結果を発表した。 この分析はパク教授が日本の民間部門で開発し使ってきた原子力発電所事故評価プログラムである‘SEOコード’を適用したもので、国内で大規模原子力発電所事故状況を仮定した被害予測結果が公開されるのは今回が初めてだ。
朴教授はこの日の発表で「古里原子力発電所でチェルノブイリ級の原子力発電所事故が発生し、風が釜山市内方向へ吹いた場合、半径19km以内の地域で2日以内に避難がなされても放射性物質被爆の影響で1万7000人余りの急性死亡者が発生し、以後50年間に85万人が癌で亡くなることになるだろう」と明らかにした。 農・漁業活動損害、避難・移住費用などを含む経済的被害規模は438兆ウォンを超えると計算された。 事故発生15日以内に釜山全域で全員避難がなされれば癌死亡者は12万5000人余りに減るが、避難にともなう物的損失の増加で被害額は628兆ウォンに及ぶと分析された。
霊光原子力発電所で福島級の事故が発生して風がソウル方向へ吹く場合、以後50年間に3万2000人余りが癌で死亡し、17兆ウォンの経済的被害を受けることになると予想された。同じ条件でチェルノブイリ級事故が発生した状況を仮定すれば、放射性物質の拡散を考慮して避難が必要な範囲である半径197km範囲まで避難がなされても47万2000人余りの癌死亡者が出てくると予測された。 ソウルは霊光原子力発電所から230kmほど離れていて、避難がなされない場合、市民の9%に癌が発生し2.4%が死亡に至ると分析された。
今回の分析結果はすべてのシナリオで風が最大27.5度の狭い扇形方向へ秒速2mで吹き続け放射性物質を特定大都市に運び、残りの332.5度方向へは風が全く吹かない非現実的状況を前提としているという点で限界がある。 韓国水力原子力は「国内で全く発生する可能性のない無理な状況を仮定した分析」と主張した。
これに対してパク教授は「最悪の条件を置いて分析してみたものであり、実際の大気拡散条件でシミュレーションを行うのはその費用のために民間次元では難しい」と話した。ヤンイ・ウォンヨン環境運動連合脱核エネルギー局長は「汚染防除費用や事故収拾費用などが被害額算定から除外されており、被害規模はむしろ保守的に捉えられている」とし「分析結果は人口密度が高く国土が狭い韓国で原子力発電所の稼動がどれほど高くつく選択であるかをよく示している」と語った。
キム・ジョンス、イ・スンジュン記者 jsk21@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/533926.html 訳J.S