本文に移動

派出所前のボードゲーム店 分かってみれば‘ハウス’

原文入力:2012/04/02 22:34(2246字)

←記者がゲームをしたソウル江南区(カンナムグ)、狎鴎亭洞(アックジョンドン)のあるボードゲーム店で客が不法賭博をしている。写真は事業主が自身の業者ホームページに載せていたものだ。

狎鴎亭(アックジョン)の‘ハウス’に入ってみれば

紹介者の名前を言えば入場可能…毎正時ごとに手数料
両替など複雑な過程を経るように…2年間 取り締まり実績 皆無

 ある知人からソウル 江南地域の相当数のボードゲーム(チェスのように盤上に駒やカードを置いて規則にしたがって進めるゲーム)店が‘ハウス’(不法賭博場)として運営されているという話を初めて聞いた時は‘まさかそんな事が’と思った。 すぐ道の向かい側に派出所がある都心の大通りで不法賭博施設が堂々と営業中というのが信じられなかったためだ。

 それで去る1日夜10時、ハウス出入り経歴4年目というイ・グァンス(仮名)氏とともにソウル江南区)、狎鴎亭洞のある地下ボードゲーム店を訪ねてみた。 紹介制で運営されるこちらでゲームしてみることはイ氏も初めてと言った。 だが、イ氏がカウンター職員に知り合いの友人の名前を出すと、職員はすぐにゲーム待機者名簿に名前を入れた。

 ボードゲーム店内では20人ほどがカードゲームをしていた。 10人ぐらいが座れるカードゲーム用テーブル4脚が置かれている壁には 「現金取引絶対禁止」という案内文が貼られていたが、ゲーム開始前にカウンター職員が現金をチップに変えた。法で禁止されている行為だ。 職員は警察が押しかけた場合を備えて紙の山の中に隠したメモ用紙に会員IDと交換した金額を書いた。 10万ウォンを1000ウォンの灰色チップと5000ウォンの赤色チップに替えて席に座った。

 こちらで行うゲームは‘テキサス ホールデム’(Texas Hold’em)だ。 ホールデムはポーカーゲームの一種で最も高い配列のカード5枚を作った人が勝つ。 1ゲームに金銭を無制限に賭けられる射倖性濃厚なゲームで世界賭博競技の主要種目でもある。

 チップをかけずにずっと死んでいれば疑われるだろうと思い、今回だけは金銭をかけた。 20分間ずっと死んでいたが程なくして‘キング’と‘エース’札が入ってきた。 若干震える手で小心に7000ウォンを賭けた。 他の人は割札が良くなかったのか皆死んで、記者と30代の会社員だけが残った。 相手方が掛け金を2万ウォンに高めたために同じように掛け金を上げざるを得なかった。チップを積んで出し今いくら出しているのか、掛け金がいくらかかっているのかなど、お金に対する感覚が鈍った。 結局、5枚のカードがテーブルにみな配られ両者がカードを開いた。 記者はエースのペアであり、相手はクイーンのペアであった。 勝った。 テーブル上のチップを両手でかき集める時、なぜ人々が賭博に嵌るのか少しは理解できた。

 ハウスでは各種名目で手数料を集め大きな収益を残した。 時計が正時を示すと、ディーラーがタイム費と言って2000ウォンずつチップを集めた。 ゲームを終えるとカウンターで再びテーブル費として3000ウォンを出せと言った。 その後、両替過程で再び手数料10%を抜いた。この日勝った8万ウォンの中から2万5000ウォン(30%)をハウスが持っていった。 イ氏は「ハウスでは事業主が一日に700万~1000万ウォンずつ儲けている」と言った。

 こちらでは警察の調査に備えて両替作業を複雑にしていた。勝ったチップを両替するにはこのボードゲーム店で運営するインターネット ポーカーサイトに入り両替屋にメッセージを送らなければならなかった。次いで両替屋の案内に従いまずキャラクター18万ウォン分を買いゲームマネーに変えて、両替屋と同じゲームをしながらゲームマネーを全て失った。すぐに手数料10%を抜いたお金が口座に入ってきた。

 イ氏は去る4年間、江南一帯のハウスだけでも10個所以上に行ってみたと話した。イ氏は「一部はオフィステルに整えられた不法賭博場だったが、大多数は合法的なボードゲーム場として申告しておき不法営業をしている」としながら「ハウスでかつて名をはせた‘スタークラフト’プロゲーマーらとアイドル歌手もしばしば見た」と話した。

 事業主はどうして江南の中心大通りで不法賭博場を運営できるのだろうか? イ氏は事業主が警察に金を与えているからだと言った。イ氏は「自分が知っている社長が私に‘官作業(警察買収)をしておけば警察が出動する前に職員に連絡する’と言ったよ」と伝えた。 イ氏は去る4年間ハウスに警察が来たのは4~5回しか見なかったという。 警察がきてもお客さんに‘お金賭けてやっているのか’と尋ねては数人の住民登録証を確認するだけで帰るが、カウンターを検索して帳簿を探すなど証拠を探そうとする努力はしていなかったというのがイ氏の説明だ。

 江南警察署の関係者は「昨年と今年にも取り締まり実績がなく、ボードゲーム店がハウスとして運営される手法はよく知らなかった」として「関連情報をくれれば捜査する」と語った。

キム・ジフン記者 watchdog@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/526376.html 訳J.S