原文入力:2012/02/06 21:05(1437字)
←2008年3月、サムスン電子半導体工場で仕事をして亡くなったファン・ユミ氏の1周忌追慕写真などがソウル、瑞草洞(ソチョドン)のサムスン本館前に掲げられている。 ハンギョレ パク・ジョンシク記者
半導体事業場の作業工程からベンゼン、ホルムアルデヒドなどの発ガン物質が出てくるという事実が公共研究機関を通じて初めて確認された。
雇用労働部所属韓国産業安全保健公団の産業安全保健研究院は‘半導体製造事業場の精密作業環境研究’結果を6日発表した。 研究院は去る2009年から3年間、白血病が発生したサムスン電子を含めハイニックス、フェアチャイルド コリアの3事業場を対象に発ガン物質を測定した。
調査の結果、白血病を起こすベンゼンの場合、ウェハー(半導体を作る時に必要な薄い板)加工ラインと半導体組立ライン工程で副産物として発生した。半導体を作る時にベンゼンを直接使わないとしても、一部の物質が高温で分解されベンゼンが副産物として出てくるということだ。ただし検出濃度は加工ラインで最大0.00038ppm、組立ラインで最大0.00990ppmでどちらも雇用部が定めた露出基準(1ppm)より低かった。
また別の白血病誘発因子であるホルムアルデヒドもやはり副産物として発生することが調査された。ホルムアルデヒドの露出基準は0.5ppmだが、加工ラインでは最大0.004ppm、組立ラインでは0.015ppmが検出された。 電離放射線はウェハー加工ラインと半導体組立ラインで年間最大0.015ミリシーベルト(mSv)が測定された。放射線作業従事者の年間放射線露出限度は50ミリシーベルトだ。
白血病誘発因子とは異なり肺癌を起こすヒ素はウェハー加工ラインのイオン注入工程で露出基準(0.01mg/立方m)より多い(0.001~0.061mg/立方m)が出てきた。イオン注入工程のメンテナンス作業は下請け業者の労働者が主に受け持っている。 雇用部は3業者に対して換気装置の補完など施設改善と作業環境測定強化、特殊健康診断追加実施、下請け業者労働者の健康保護対策などを準備するよう是正措置をした。
‘半導体労働者の健康と人権守り、パンオルリム’のイ・ジョンナン労務士は「半導体作業工程で多様な発ガン物質が出てくるという事実が確認された以上、勤労福祉公団は半導体事業場の労働災害を積極的に認定しなければならない」として「すでに裁判所でも露出基準に達しない発ガン物質が出てくるとしても、長時間・持続的に露出した場合、業務関連性を認めた」と話した。
半導体工場での白血病問題は去る2007年、サムスン電子労働者が勤労福祉公団に労働災害を申請したことにより社会問題になり、昨年6月にはソウル行政法院がサムスン電子で仕事をして白血病にかかった労働者に対して初めて労災を認めた。だが、サムスン電子は昨年7月、米国の産業安全コンサルティング業者であるインバイロン社に依頼した結果、半導体事業場が白血病のような病気を誘発するという科学的因果関係は見つからなかったとして今回の調査と相反する主張をした経緯がある。 キム・ソヨン記者 dandy@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/517730.html 訳J.S