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【社説】二度と起きてはならない韓国裁判所襲撃、背後まで明らかにして厳罰を

登録:2025-01-21 05:49 修正:2025-01-21 09:04
内乱首魁の被疑者である尹錫悦大統領を支持する暴徒が19日早朝、ソウル市麻浦区のソウル西部地裁を襲撃し、ガラス窓や外壁などを破壊した=チョン・ヨンイル先任記者//ハンギョレ新聞社

 19日早朝にソウル西部地裁を襲撃した暴徒は、警察や記者、一般市民まで暴行し、裁判所の入口やガラス窓、事務室の備品や外壁を無差別に破壊した。特に、内乱被疑者である尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の拘束令状を発付した裁判官を探し出し、集団で攻撃しようと試みた。

 裁判所行政処のチョン・デヨプ処長は、20日の国会での緊急懸案質疑で、「(暴徒がソウル西部地裁の)7階まで上がっていったことが確認されており、7階の裁判官室のうち、令状裁判官の部屋だけが意図的に破壊され、その内部に入った形跡があることから、この場所(令状裁判官事務室)を知って来たのではないかと推測している」と述べた。令状発付の直後に退勤したチャ・ウンギョン裁判官が、もし事務室にもう少し留まっていたとすれば、どのような事態が発生したか、考えただけでも恐ろしい。

 この日の襲撃は、表面だけをみると、令状発付に興奮した一部のデモ隊が群衆を刺激して偶発的に起きたかのようにみえる。しかし、現場で誰かが指揮をしているかのような場面が確認されており、何人かがすぐに管制室に走っていき、監視カメラのサーバーに水をかけたりLANケーブルを引き抜くなど証拠隠滅行為を行った点から、計画的かつ組織的な行動だったのではないかという疑惑を提起する人が多い。60~70代が多い通常の弾劾反対集会とは違い、この日に暴力を主導したのは20~30代の青年たちだった。警察は、彼らが誰の指示を受け、どのような経緯で暴動に加担することになったのか、その背後まで徹底的に解明しなければならない。「国民の抵抗権」だと言って暴力を扇動したサラン第一教会のチョン・グァンフン牧師らも、法に則って厳罰に処されなければならない。

 憲法機関である裁判所に対する直接的かつ明白な集団暴力事件についても、与党「国民の力」は両成敗論と焦点ぼかしで暴徒らを事実上擁護している。国民の力のクォン・ヨンセ非常対策委員長は「(最大野党)共に民主党と一部メディアは、市民の怒りの原因には見向きもせず、暴徒という烙印を押し、厳罰すべきだと脅している」と主張し、クォン・ソンドン院内代表は「警察にも警告する。(裁判所乱入)現場は、暴力の責任をデモ隊に一方的に求めることはできない状況だった」と述べた。政治的目的で内乱を犯した尹大統領を擁護するだけでも飽き足らず、司法府に集団テロを加えた暴徒まで擁護しているのだ。

 司法システムを認めないのであれば、韓国社会を支える法治と民主主義はただちに崩壊してしまう。アルベール・カミュは「昨日の犯罪を罰しないのは、明日の犯罪に勇気を与えるに等しい愚かなこと」だと言った。司法府襲撃に対して、絶対に寛容を施してはならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1178882.html韓国語原文入力:2025-01-20 18:44
訳M.S

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