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【社説】ブランドバッグは外国人の贈り物だから大統領を調査しなかったという権益委

登録:2024-06-13 06:08 修正:2024-06-13 09:48
チョン・スンユン国民権益委員会副委員長兼事務処長が10日午後、政府世宗庁舎で、尹錫悦大統領夫人のキム・ゴンヒ女史のブランドバッグ受け取りに関する不正通報事件を「違反事項なし」で終了処分したと発表している/聯合ニュース

 国民権益委員会のチョン・スンユン副委員長が12日、記者懇談会を開いた。10日、大統領夫人のキム・ゴンヒ女史のブランドバッグ受け取りについて、「違反事項なし」で無嫌疑終結処分した後、批判世論が強まり、追加説明に乗り出したのだ。チョン副委員長は「キム・ヨンラン法に基づき、手続きを進めた」とし、終始何の非もないかのように述べた。国民を見下す詭弁であり、常識以下の発言だ。

 キム・ヨンラン法と呼ばれる不正請託及び金品授受禁止に関する法律には「公職者の配偶者が授受禁止金品を受け取った場合、当該公職者はその事実を認知し次第、書面で報告しなければならない」と規定されている(第9条)。これだけでなく、その金品は提供者に直ちに返還するか、(受け取り)拒否の意思を示すようにしなければならない。これに違反した場合、当該公職者は3年以下の懲役、3千万ウォン(約340万円)以下の罰金に処することになっている。そのためキム女史の場合、尹錫悦大統領が知っていたかどうか、報告したどうかが重要だった。もし、尹大統領がブランドバッグの受け取り事実を知っていながらも、直ちに報告し返還するようにしなかったのなら、法違反の問題が発生する。そのため、大統領に対してはキム女史人とは別に必ず調査が必要だ。

 ところが、チョン副委員長はキム女史や尹大統領に対して調査をしたのかという質問に「申し上げることは困難だ」として答弁を避けた。代わりに、キム・ヨンラン法に定められた手続きどおり調査をしたという言葉ばかりを繰り返した。きちんとした調査を行ったとは考えられない状況だ。チョン副委員長はこれについて、「問題のブランドバッグが大統領職務と関連したものとみることはできない」とし、「大統領記録物」という奇怪な論理を展開した。もともとキム・ヨンラン法は、職務関連性や見返りが明確でない公職者の金品授受行為を根絶するために作られた法律だ。なのに、なぜ刑法などにある職務関連性を(違反がなかったという)根拠にするのか。キム女史に対しては「公職者の配偶者に対する制裁条項がない」としてキム・ヨンラン法を口実に免罪符を与えたのに、大統領に対してはそのブランドバッグが「外国人から贈られた大統領記録物」だからとして調査そのものを行わなかった。バッグを渡したチェ・ジェヨン牧師が外国人だからというのが理由だが、権益委は彼を調査したこともない。それでも法に則って処分したと言えるのか。

 権益委の調査は、意図的な職務遺棄に他ならない。大統領夫妻をかばうため、6カ月以上も時間をかけたうえに、調査を回避し、無理な論理を開発した跡があまりにも明らかだ。権益委の処分後、イ・ウォンソク検察総長は「検察として捜査の日程を滞りなく進める」と述べた。検察の結論が権益委と同じになるかどうか、全国民が見守っている。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1144596.html韓国語原文入力:2024-06-12 18:39
訳H.J

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