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[社説]雇用率停滞の中で「休んでいる」若者が増える韓国

登録:2023-11-18 07:18 修正:2023-11-18 10:11
15日午後、ソウル麻浦区のソウル西部雇用福祉プラスセンターに設置された雇用情報掲示板/聯合ニュース

 先月の就業者数は1年前に比べて34万6千人増え、雇用率は62.7%から63.3%へと上昇した。しかし15~29歳の青年層の雇用率は同期間に46.4%で足踏みしている。青年層の雇用市場への流入が相対的に大きく低迷しているのだ。求職活動をせずにただ休んでいるという若者の数も再び増えつつある。

 青年雇用率は新型コロナウイルス禍で41%台前半にまで下がったが、回復しつつある。しかし過去に遡ってみると、10月の青年雇用率(46.4%)は2004年7月(46.8%)の水準にも満たない。同じ期間に15歳以上の人口の雇用率が60.6%から63.3%へと上昇していることと比べると、低迷がよりいっそう目立つ。65歳以上の高齢者を中心に新規雇用の創出が実現している一方で、青年層の雇用事情はこれといった改善がなされていないのだ。

 経済活動人口調査で、最近4週間は求職活動をせずに「休んだ」と答えた若者は、今年1~10月に月平均41万人にのぼった。彼らが青年人口に占める割合は2020年(5.0%)に低下が止まって上昇に転じ、今年は4.9%(~10月)と集計されている。このような人々の10人に3人が「希望する仕事を見つけるのが難しいから」と答えている。

 若者の就職難の長期化は当事者たちにとっても苦痛だが、国の将来にも暗い影を落とす。合計特殊出生率(妊娠可能期の女性1人が一生のうちに産むと期待される子どもの数)は2018年には0.98人と1人を下回りはじめ、昨年は0.78人、今年第2四半期には0.7人にまで下がっている。このままでは成長動力の衰退にとどまらず、この国を動かしていくシステムが崩壊する恐れもある。

 政府は15日の非常経済長官会議で、就職準備生に合わせた雇用サービスの提供、青年親和的企業文化の拡大の支援、孤立・引きこもり青年の社会復帰の支援などを盛り込んだ「青年層労働市場流入促進策」を発表した。今年と来年の予算に反映した事業だが、これだけでは足りないだろう。産業構造の変化の中で若者が望む良質な雇用はあまり創出されていないうえ、企業も主にキャリア採用によって労働市場への新規参入者に対する熟練機会の提供を避けているからだ。構造の問題であるため、個別企業に細かい支援をしたり圧力を加えたりしても、簡単には改善できない。合計特殊出生率が急落しているという現実を直視し、労使政が真剣に膝を突き合わせるべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1116458.html韓国語原文入力:2023-11-15 18:04
訳D.K

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