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[社説]ついに汚染水を放出した日本、未来は誰が責任を負うのか

登録:2023-08-24 21:16 修正:2023-08-25 09:15
ハン・ドクス首相が24日午後、ソウル鍾路区にある政府ソウル庁舎で福島原発汚染水の放出に関する国民向け談話を発表している/聯合ニュース

 24日午後1時3分、日本政府が福島原発の放射能汚染水を海に流し始めた。近隣諸国や自国の市民、漁業者の懸念を無視し、全世界が一度も経験したことのない原発爆発事故汚染水の長期間にわたる海洋放出をついに強行した日として歴史は記憶するだろう。

 東京電力はこの日、福島第一原電の1キロメートル沖合に繋がる水深10メートルの海底トンネルを通じて、約200~210トンの汚染水を海に流した。現在、134万トンが溜まっており、毎日大量に生じる汚染水を数十年もの間にわたり海に捨てることは、これまで人類が一度も体験することのなかった環境災害だ。日本は「科学的に安全だ」と強弁するが、全人類と未来に対して取り返しのつかないリスクを負わせている。この汚染水には正常に稼働する原発からは出てこないセシウム137やストロンチウム90など、人体に致命的な放射性物質が微量とはいえ含まれており、これが30年以上海に放出される場合、生態系にどのような影響を与えるかについてはどんな科学でも断言できない。しかも東京電力は、韓国などの関連国が汚染水のサンプルを直接採取して放射性物質の濃度の変化を分析することも拒否している。

 日本の漁業者団体はこの日「海洋放出に反対であることは、いささかも変わりはない」というコメントを発表し、放出に反対する福島県の住民たちは放出中止を求める訴訟を来月8日に提起すると明らかにした。日本政府は、自国の漁業者の損害は「政府が全責任を持って対応する」として、被害対策に800億円の基金を用意した。だが、日本の放出によって大きな被害を受けることになる韓国や中国などの周辺国は、支援対象から除外した。放出は日本が行うにもかかわらず、なぜ周辺国が漁業者の被害と対策の準備に数千億ウォンを投入しなければならないのか。

 しかし呆れるのは韓国政府の態度だ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領はこの日も結局、何の立場も示さず沈黙を守った。代わりにハン・ドクス首相が国民に向けての談話を発表したが、日本政府に対して「今後30年ほどの間、透明かつ責任感を持って情報を公開することを期待して求める」と述べた。当初の原文にあった「汚染水放出がそもそもなかったならば一番良かったが」という文言すら省いて読みあげた。さらに、「福島原発汚染水のために私たちの海が汚染されるという根拠のない扇動によって、水産業が脅かされている」として、漁業者や水産業者などのため息を「扇動とフェイクニュース」のせいにした。日本の放出は最後まで擁護し、自国民ばかりを責めるこの政府は、いったいどこの国の政府なのか問わざるを得ない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1105696.html韓国語原文入力:2023-08-24 18:39
訳M.S

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