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[社説]米国の強力な対中半導体規制、韓国は中長期的被害に備えよ

登録:2022-10-08 04:54 修正:2022-10-08 08:35
米国のジョー・バイデン大統領が6日(現地時間)、ニューヨーク州ポキプシーのIBMの研究センターで演説している。同社はこの日、半導体製造と研究開発のため、ニューヨーク州に10年間で200億ドルを投資することを明らかにした=ポキプシー/AFP・聯合ニュース

 米国は、先端の半導体製造装置を中国の半導体メーカーに事実上販売できないようにする強力な輸出規制措置を発表する予定だ。中国に半導体工場を持っている韓国企業には当面被害はないものとみられるが、先端技術分野における米国の中国牽制は日増しに強まっているため、中長期的な被害が懸念される。

 ロイターの6日の報道によれば、米国企業が中国の半導体メーカーに先端の半導体製造装置を売るためには米国商務省の許可が必要だが、「原則的不許可」方針が適用される予定だ。適用基準は、DRAMは18ナノメートル以下、NANDフラッシュは128層以上、ロジックチップは14ナノメートル以下。今回の措置は、先端の半導体チップ製造に必要な装置の輸出を制限することで中国の「技術的突出」を阻止しようというもの。前任のトランプ政権が中国の特定半導体メーカーによる10ナノメートル以下の最先端装置の自国持ち込みを禁止したことに比べても、包括的で強力な制裁と評価される。「技術の頭脳」である半導体は、携帯電話やノートパソコンのような電子機器だけでなく、輸送、金融、先端兵器などに必要不可欠な原材料であるため、インフラと国家安保にとっても非常に重要だ。米国が半導体分野における技術的優位の確保に死活をかけて取り組む理由はここにある。

 問題は、この過程で韓国企業に被害が及ぶことが憂慮されるということだ。ロイターは、サムスン電子などの韓国企業も中国に装置を持ち出すためには案件ごとに商務部の審査を受けなければならないが、事実上新たな規制の対象からは除外されると伝えた。この報道が事実なら幸いだ。しかし審査過程で企業秘密の流出、審査の遅延などが発生する可能性は排除できない。また米国のさらなる制裁の可能性などの不確実性の影響で、中国での事業に支障が生じうる。景気サイクルが速いという半導体産業の属性上、このような不確実性は工場の新増設などの迅速な投資決定を阻害する恐れがある。

 米中の技術覇権競争は、韓国にとっては中国の追撃を遅らせる機会でもあるが、企業競争力の萎縮と中国市場の喪失というリスクが内在する。国際関係においては永遠の友も永遠の敵もいない。国益が最優先だ。米国のインフレ抑制法が、電気自動車に関して同盟諸国を差別待遇したことがよく示している。半導体などの先端技術産業の比率が高い韓国は、このような変化により敏感にならざるを得ない。政府は米国の対中制裁に関する情報を事前に把握し、迅速に対応する体系を強化する必要がある。また、欧州や日本などの類似の利害関係を持つ国々と協力し、米中の不当な措置に対しては国際規範を順守するよう強く求めていくべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1061850.html韓国語原文入力:2022-10-07 18:24
訳D.K

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