日本政府は29日、またも歴史教科書から真実を消した。29日の日本の文部科学省の教科書検定の結果、高校の歴史・政治・経済・地理の教科書239種から、「従軍・日本軍」慰安婦、朝鮮人「強制連行」という表現がすべてなくなった。独島(ドクト)は日本の領土だというとんでもない主張もほとんどの教科書に掲載された。昨年4月に日本政府が出した閣議決定にそのまま従ったのだ。
日本政府は、1993年の「河野談話」で、「慰安婦」に対する軍の関与と動員過程における強制性を認め、歴史教育を通じて忘れないようにすると約束したが、ますます正反対に向かっている。両国の和解と協力が切実な時期に、日本政府は未来世代に歴史の教訓を十分に教えるどころか、ますます歪曲を加えており、嘆かわしいことこの上ない。
検定を通過した「日本史探求」の7種類の教科書のうち、これまで本文で唯一加害者を明確に示し「日本軍慰安婦」と記述してきた実教出版でさえ、「日本軍」を削り「慰安婦」とだけ表現した。強制動員の被害者を「強制連行」と記述した教科書の表現も、すべて「動員」に取り替えられた。右翼の主張を受け入れた日本政府が、昨年4月の閣議決定で「強制連行」の表現は不適切だとし、これまで適切に記述していた出版社でさえ、歴史歪曲を受け入れたのだ。「アシア平和と歴史教育連帯」はこの日、「安倍政権以降、日本政府は、日本軍『慰安婦』動員に物理力を用いた強制はなかったという詭弁を続けており、とうとう教科書から日本軍や従軍などの概念を削除し、軍の介入を否定するに至った」と批判した。韓国政府は「自国中心の歴史観によって、過去の歴史的事実を歪曲する高校教科書を検定通過させたことについて、深い遺憾の意を表明し、是正を求める」とする声明を出した。外交部は、駐韓日本大使館の熊谷直樹総括公使を呼び、強く抗議した。
米中覇権競争とロシアのウクライナ侵攻により世界の秩序が急変し、東アジア情勢が危うい時期に、重要な隣国である韓国と日本が関係を改善し協力しなければならないという要求は、両国から出ている。にもかかわらず、日本政府は、日帝強占期(植民地時代)の朝鮮人強制動員の現場である佐渡金山のユネスコ世界文化遺産の登載推進を強行したことに続き、歴史教科書を改悪している。歴史歪曲を止め、未来志向的な韓日関係のために責任ある姿勢を示すことを、日本政府に求める。