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[社説]目前に迫る「オミクロン台風」、緊張すべき時=韓国

登録:2022-01-20 01:19 修正:2022-01-20 13:02
19日、ソウル中区のソウル駅広場のコロナ臨時選別検査所で。雪の降る中、医療スタッフが検体採取の準備をしている/聯合ニュース

 20日は、韓国国内で新型コロナウイルスの最初の感染者が確認されてからちょうど2年目となる日だ。これまでの4波にわたる流行でおよそ70万5900人が感染し、このうち6452人が亡くなった。社会・経済的被害も言いつくせぬほど大きい。一時は「日常回復」に対する期待もあったものの、いま私たちの前にある現実は依然として危機的だ。強い「オミクロン台風」が迫って来ているからだ。オミクロン株は、韓国社会がこれまでに経験したことのない危機をもたらすかもしれない。「オミクロン大流行」は避けられないが、「管理可能なリスク」にすることはできる。政府の徹底した備えと市民の協力があってはじめて可能になるということは言うまでもない。

 中央防疫対策本部の発表によると、19日午前0時現在で、感染が新たに確認された人の数は5805人。1週間前の12日より1422人多い。5000人台の感染者が確認されたのは先月30日以来20日ぶりだ。感染力がデルタ株より2~3倍強いオミクロン株の影響が現実化しているとみるべきだ。1月第1週に12.5%だったオミクロン株検出率は、先週は26.7%にまで高まっている。1週間で2倍になったわけだ。このまま行けば、今週末には優勢(検出率50%以上)になるのはほぼ確実だ。

 オミクロン株の流行で緊張すべきなのは、それが恐るべき感染力を持つからだ。日本では、元旦には500人台に過ぎなかった新規感染者数が、18日には3万2000人あまりにまで急増している。米国の新規感染者数も1カ月で約7倍に増えた。流行の規模が手のほどこしようもなく拡大したことで、米国では入院患者と死者も急増している。医療システムはもちろん、教育・介護・交通などの社会の必須機能の維持にも困難をきたしているという。フランスやドイツなどの欧州諸国も大きな違いはない。韓国も例外ではない。重症化率が低いからといって緊張の糸を緩めていては、大きな被害を受ける恐れがある。

 「オミクロン災厄」を防ぐには、これまでとは次元の異なる対応が必要だ。毎日2万~3万人の感染者が出る状況では、既存の防疫・医療システムの維持は難しい。これまでは比較的うまく機能していきてた「K防疫」は、今や忘れるべきなのかもしれない。限られた防疫力を高危険群中心のものへと早急に再編しなければならない。市民に現在の状況を正確に知らせ、自発的な参加と協力を率直に訴えなければならない。政府がしっかりとした危機管理リーダーシップとコミュニケーション能力を発揮すべき時だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1028047.html韓国語原文入力:2022-01-19 19:17
訳D.K

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