本文に移動

[寄稿] ウィズコロナはコングリッシュ?それとも和製英語?

登録:2021-10-25 08:29 修正:2021-10-25 09:21
キム・ジンへ|ハンギョレ言語研究所研究委員・慶煕大学教授

 素直に答えてもらいたい。あなたは「段階的日常回復」と「ウィズコロナ」のうち、どちらが耳に馴染むか?私は「ウィズコロナ」の方だが、それはなぜだろうか? 韓国語に対する愛情不足か?まさか、それはない。

 言葉は現地化するものだ。一つの言語の中にも異質性が混在しているのに、他の言語が入ってきたなら、原形をとどめられるはずもない。言葉は、家(自国)を出たら変貌してしまう。英語もシンガポールでは「シングリッシュ」、スペインでは「スパングリッシュ」、フランスでは「フラングレ」、韓国では「コングリッシュ」になる。最もそれが良く表れるのは単語だ。ハンドフォン(携帯電話)、カーセンター、モーニングコール、 ワンショット(一気飲み)、バックミラー、リモコン、オートバイ、サインなどがこれに当たる。 オックスフォード英語辞典にも載った「スキンシップ、ファイティング(ファイト)」などもコングリッシュだ。コングリッシュはそのうちのかなりが和製英語から由来したもので、「誤って作られた」英語ではない。つまり現地化した英語だ。「セルラーフォン」より、「ハンドフォン」の方がピンと来るのだから、仕方がないかもしれない。

 「ウィズコロナ」もコングリッシュだと指摘する海外メディアの報道を受け、いくつかの韓国メディアも同じことを言い始めた。それとともに「ウィズコロナ」が「英語圏では通じない」とか「和製英語」だと騒ぎ、この言葉が「不穏」だというレッテルまで貼りはじめた。現地化した英語だから、英語圏の人たちが理解できないのは当たり前だ。また「和製英語」だからといって、何が問題なのか?人が言葉を使う時、最も大きな影響を及ぼすのはその起源ではない。目の前の生活が優先なのだ。「ウィズコロナ」は防疫政策でもあるが、これからの暮らしに対する態度を意味する。すでに一つの概念語として定着している。

 外国製でも「バッタ物」でも、一度使い慣れてしまった言葉はそう簡単には消えない。「他人」に何と言われようと、我々は韓国式の英語を使うのだ。「自国自英(自分の国では、自分たちの使いやすい英語を)!」

//ハンギョレ新聞社

キム・ジンへ|ハンギョレ言語研究所研究委員・慶煕大学教授(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1016386.html韓国語原文入力:2021-10-24 20:31
訳H.J

関連記事