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[社説]韓国、国民参加と医療現場の献身が成し遂げた接種完了率70%突破

登録:2021-10-25 00:56 修正:2021-11-11 09:28
コロナワクチン接種完了率が70%を超えた。24日、ソウル市内に設置されている表示機にワクチン接種完了率が表示されている/聯合ニュース

 ついに新型コロナウイルスワクチンの接種完了率が70%を超えた。今年2月26日に韓国国内でワクチン接種が開始されてから8カ月での達成だ。接種完了率70%突破は、来月初めに実施される予定の「段階的日常回復(ウィズコロナ)」の最重要条件だ。

 コロナ予防接種対応推進団は24日、ワクチン接種完了者が同日0時現在で3598万人となり、全人口(昨年12月現在で5135万人)の70.1%に達したことを明らかにした。70%が達成されたのは23日午後2時ごろ。23日だけでも新たな接種完了者は33万人にのぼった。18歳以上の成人の接種完了率は81.5%だ。1次接種者は4076万人で全人口の79.4%、18歳以上の91.8%を占める。

 韓国のワクチン接種完了率70%突破は、接種を韓国よりも先に開始した英国(66.7%)、日本(69%)、イスラエル(65%、以上21日現在)、米国(57.7%、22日現在)などの主要国より早い。接種初期はワクチン導入が遅れるとともに供給量が少なかったため大いに懸念されたものの、下半期に入ってワクチン供給問題が解消されたうえ、国民参加率が高まったことで接種が急激に速まった。国民の積極的な姿勢、医療現場と支援スタッフの献身、政府の努力が調和した結果だ。ワクチンの輸送、保管、接種などのしっかりしたインフラも支えとなった。

 接種完了率が70%を突破したことで、段階的な日常回復への転換にもさらに弾みがついた。予防接種対応推進団は、「感染力の高いデルタ株の拡散により、集団免疫の達成を通じたコロナ禍の終息は不可能になっているものの、接種目標の達成により重症化率と死亡率が下がるとともに、段階的な日常回復への転換の開始の重要な前提条件が整えられた」と語った。政府は25日に公聴会を開き、社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の段階的緩和に向けた素案を公開し、29日には日常回復の履行計画を発表する予定だ。来月初めから食堂やカフェなどの生業施設の営業時間制限が緩和されるなど、まずこれまで被害が大きかった業種と感染拡散の危険が小さな施設に対して、段階的に日常回復措置が実施される見通しだ。自営業者をはじめとする脆弱階層の苦痛が軽減されることになるのは幸いだ。

 政府は、段階的な日常回復の最終段階を開始するための接種完了率の基準を85%と見ているが、来年初めには可能になると展望している。そのためには、ワクチン接種を1度も受けていない人のワクチン接種が急がれる。24日午前0時現在のワクチン未接種者は1058万人で、このうち18歳以上は500万人。ワクチンの異常反応に対する懸念などの様々な理由で接種が忌避されている。政府は強制的な措置を取るのではなく、自発的にワクチンを打つよう、これらの人々の説得、誘引に努力を惜しんではならない。ワクチン接種完了者に対する特典の拡大、異常反応についての情報を隠すことなく公開することによる不必要な不安の拡散の防止、ワクチン接種による被害に対する補償の強化、交通弱者や障害者のための接種支援の強化に取り組むべきだ。

 接種完了率70%突破が警戒心の緩みを招くことがあってはならない。高い接種率を頼って防疫措置を急激に緩和した欧州では、感染者が急増していることに留意しなけなければならない。ウィズコロナに転換しても、かなりの期間にわたってマスクの着用や手洗いなどの個人防疫守則を徹底して守らなければならないことは言うまでもない。日常回復の幅を段階的に拡大しつつも、防疫管理に万全を期することこそ、ウィズコロナの成否を分けるカギとなる。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1016397.html韓国語原文入力:2021-10-24 18:58
訳D.K

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