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[社説]人権・学問すべてを冒涜したハーバード大教授の「慰安婦」論文、掲載撤回を

登録:2021-02-20 08:34 修正:2021-02-20 12:16
マーク・ラムザイヤー教授はハーバード大学ロースクールの「三菱日本法学教授」だ。第2次大戦当時、朝鮮人を動員して強制労働させた戦犯企業三菱が寄付した100万ドルで作られたポストだ=ニュース画面キャプチャー//ハンギョレ新聞社

 日本軍「慰安婦」被害者を「売春婦」として歪曲したハーバード大学ロースクールのマーク・ラムザイヤー教授の論文撤回の要求が、国際的に拡散している。ハーバード大ロースクールの学生たちがイ・ヨンスさんの証言を聞くセミナーを開き、各国のフェミニストたちが連帯声明を上げ、著名な学者たちも同論文の問題点を一つ一つ批判している。

 ハーバード大の歴史学者であるカーター・エッカート教授とアンドルー・ゴードン教授は17日(現地時間)、声明を出し、ラムザイヤー教授の論文は「最悪な学問的真実性の違反」とし、同論文を掲載予定の学術誌「インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス(International Review of Law and Economics)」に掲載の撤回を求めたことを明らかにした。彼らは「慰安婦システムに内包されて実行された植民地主義ジェンダーの大きな政治的・経済的脈絡をラムザイヤー教授が省略したことに衝撃を受けた」とし、ラムザイヤー教授は朝鮮人「慰安婦」に関する実際の契約を一件も探し出していないと指摘した。

 国内外の1100人以上の研究者と団体が参加した世界のフェミニストたちの連帯声明は、「日本軍『慰安婦』被害生存者および現代の性暴力被害生存者たちにまた別の暴力を加え、日本政府の意図的な歴史否定と歪曲を後押ししている」と批判した。ハーバード大ロースクールの学生会が同論文に抗議し16日に開いたセミナーで、「慰安婦」被害者であり人権運動家のイ・ヨンスさんは「日本は朝鮮を侵略し、女子たちを集めて連れていき、無法地帯の振る舞いをした。日本政府は70年経ってもあの時と変わらない」と憤った。米国内の韓国人団体も論文撤回を求める国際請願運動を広げている。

 日本政府の「河野談話」(1993年)は「慰安婦」の強制動員に日本軍が介入したことを認めて謝罪し、1996年の国連人権特別報告官は「慰安婦」は日本軍によって組織的で強制的な方法で行われた「性奴隷」であり、「戦争犯罪」に当たると明らかにしている。にもかかわらず、日本の右翼は責任を隠蔽するために歴史を捏造し続けている。彼らの主張をもとに書かれたラムザイヤー教授の論文を「学問の自由」と擁護することは、非人道的犯罪が二度と起きてはならないという国際的合意を揺さぶるものだ。いまや「インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス」は、最小限の学術的根拠もなく歴史を歪曲し、被害者を冒涜したラムザイヤー教授論文の掲載の撤回を決断する時だ。ハーバード大学当局にも、これ以上「学問の自由」を掲げて沈黙せず、適切な措置を下すことを望む。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/983760.html韓国語原文入力:2021-02-20 02:33
訳C.M

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