済州島(チェジュド)に留まっているイエメン人を巡り、大統領府のサイトの掲示板が炎上している。70件余りにのぼる市民請願の中には難民保護を主張する少数の声もあるが、不法難民急増を憂いたり反対する書き込みが圧倒的だ。そのうちのある請願は署名者が20万人を突破した。特にイスラム人を差別したり蔑視したりする主張まで出ているのは極めて憂慮される現象だ。
今年に入り済州島にノービザで入ってきたイエメン人の難民申請が急増したことは事実だ。先月末基準で519人で、昨年一年間の42人の10倍を越えている。大部分はノービザで90日間の滞留が可能なマレーシアに脱出し、延長できず済州まで来た例である。2015年の「サウジとイランの代理戦」と呼ばれる内戦勃発以後イエメンの人口の70%に当たる2000万人が食事に事欠く状態で、故郷の外に追い出されている人々が大きく増えたという。
韓国は1991年に国連難民地位協約に加盟し、2013年7月にアジアで初めて難民法まで導入した国だ。ある人たちはノービザ制度と先進的な難民法を悪用する「偽」難民を憂慮しているが、きわめて一部の現象を取りあげて申請者全体をののしってはならない。その上、韓国の実際の難民受け入れ率は難民保護国という面目を失うほど低い。94年以後今年4月末まで申請者約3万8千人のうち、難民認定を受けた者は800人余りに過ぎず、世界では100位圏外だ。かえって難民申請者は支援体系不在や審査人材・通訳の不足で非人間的な環境のもと、数年間強制拘禁生活をすることが非常に多い。
法務部は今月初めからイエメン人のノービザ入国を止め、すでに入国した者は済州島の外に出て行けないようにしたが、これは臨時の策にすぎない。難民法は人権先進国であることを「広報」しようと作ったのではない。済州島の一定地域に負担を押し付ける問題でもない。審査期間を画期的に短縮し、非常に多くの書類を要求するなど過度に難しい審査基準を国際基準に沿うように調整しなければならない。
同時に、社会の認識変化が切実だ。済州島ではイエメン人を助ける手助けが続いているものの、テロの恐れがあったり難民流入が加速化するという根拠のない噂をたてるのは人種蔑視であり、難民の人権と尊厳を否定するものだ。あす20日は「世界難民の日」だ。