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[社説]公共機関不正採用捜査は「胴元」を見つけられるか

登録:2017-12-22 08:43 修正:2017-12-22 23:51
江原ランドの採用不正疑惑を受けている自由韓国党のクォン・ソンドン、ヨム・ドンヨル議員=資料写真//ハンギョレ新聞社

 仕事を探している若者たちに挫折と怒りを抱かせた公共機関不正採用に対する断罪が続いているが、相変らず不十分だ。最高検察庁の反腐敗部が7月から繰り広げてきた公共機関不正採用の捜査の結果、全30人を立件したと明らかにしたが、不正の「胴元」は見あたらない。関与の疑いを受けている7人の現役議員は1人も検察に呼ばれていないのだ。特に集中非難された江原(カンウォン)ランド採用不正に関連して、秘書官らを含むクォン・ソンドン自由韓国党議員についても呼ぶ計画さえないとは、検察の捜査の意思を疑わざるをえない。

 ハンギョレ新聞が9月初めから江原ランドを始めとした公共機関採用不正を相次いで調査報道してから、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の指示でなされた公共機関採用の全数調査結果は衝撃的だった。すでに監査を受けた55機関を除く275の公共機関を調査した結果、全体の94%である259カ所で不正があったことが分かった。端的に言えば、名前だけの「公募」だったロビー活動と請託が横行する「無法地帯」だったことは、最高検察庁の捜査の中間発表を通じても再確認された。

 江原ランドの例は他と比べ物にならないほどだ。2013年の合格者518人のうち、請託があった者は493人にものぼったという。クォン・ソンドン議員の場合、2012~13年に同施設の公募の際に受験者11人の請託に関わり、彼の元秘書の2人は同施設の関連会社にそれぞれ便宜採用された事まで分かった。キム元秘書は応募資格が欠けていたのに、当時のチェ・フンジプ社長が「施設の関連法の延長を助けた」などの理由で採用を指示したという。秘書の力で法律を延長させうるというのも初めて聞く話だが、議員とは関係なく採用したという説明は一層納得しにくい。クォン議員が高位公職者犯罪捜査処法(公捜処法)など、検察の利害関係に関する法案が扱われている国会法制司法委員会の委員長という点から、検察は積極的な捜査を嫌うのではないかと非常に疑われる。万が一でも、検察が組織の利害関係や政治的計算により捜査の度合いを調整することはあってはならない。

 キム・ドンヨン副総理兼企画財政部長官は20日、公共機関長との勉強会で、来年1月末までに採用不正根絶の総合対策を決めると明らかにした。当然のことだ。しかし対策発表だけで不正は根絶されはしない。すでに分かっている不正から徹底して断罪してこそ、採用に対する公共機関の文化と意識が変わる。検察は尻尾だけの処罰をせず、「胴元」の根を見つけて断罪する責任がある。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/824585.html韓国語原文入力:2017/12/21 17:48
訳T.W

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