犯行現場に出動した警察官が、犯人の撃った手製の銃に撃たれて犠牲になる衝撃的な事件が起きた19日夕、ソウル市江北区のオペ山トンネルの近くで、ソン・ビョンデ氏(46)が江北警察署のキム・チャンホ(54)警衛(警部補)に手製銃を撃ってキム警衛が亡くなり、鈍器の衝撃で知人のイさん(67)ら2人もけがをした。
ソン氏が人に危害を加えうる銃器を自ら作って犯行に使い、それも17個も所持していたという点は衝撃的である。現場からは、粗悪なレベルながら乳酸菌飲料のビンを利用した手製の爆発物まで出てきたという。銃器製作の経緯や犯行の動機はまだ詳しく明らかになっていないものの、手製の銃器が警官の命まで奪った初の事件という点で深刻に憂慮せざるをえない。
3Dプリンターなど先端技術の発達と並行して、ユーチューブなどの動画サイトには手製銃器の製作方法がすでにあふれている。銃砲・刀剣・火薬類の安全管理法が整備され、手製の武器製造法をインターネットに載せれば刑事罰を受けることになっているが、サーバーを外国に置いているサイトは制裁するのが難しい。手製の銃器が放置されている場合、はずみでさらに大きな事故が発生することもありうる。銃器の保有と使用を許可するやり方の既存の管理体制に効力があるかも再点検してみることだ。これ以上手製の武器が犯罪に悪用されることがないように今回の事件の経緯の調査とともに徹底した対策が用意されるのは当り前である。
警察の対応にも残念な思いがする。キム警衛は防弾チョッキを着ずに犯人に接近して後肩を撃たれ、銃弾が肺を貫いたために不幸な死にいたったという。一緒に現場に出動した警察官はパトカーに防弾チョッキがあったと言っており、なぜキム警衛はそれを着なかったのか調べが必要となろう。警察の説明のとおり犯人が銃器を使うという事実が現場の警察官に伝えるのが遅れたためなのか。でなければチョッキの性能の問題など他の理由があったのか等も糾明されるべきである。昨年2月に京畿道の華城で発生した猟銃乱射事件の時も、防弾服を着ずに犯人を説得していた地元の派出所長が銃で撃たれて亡くなる事件があったという点から、警察自らによる再発防止のための決然とした確約が強く求められる。
犯人のソン氏は強姦や刑務官傷害などで計9年6カ月服役し、電子足輪(GPSアンクレット)をはめていたという。当局の管理に落ち度がなかったかも顧みるべきだろう。
韓国語原文入力:2016/10/20 17:35