本文に移動

[社説]とうてい受け容れられないセウォル号特調委の強制終了

登録:2016-10-02 23:55 修正:2016-10-03 11:54
今月1日午後、ソウル光化門4・16広場で開かれたセウォル号惨事900日文化祭で、出席者たちが行事を終え、歓声を上げている=カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社

 4・16 セウォル号惨事特別調査委員会(特調委) の活動が9月30日で強制終了となった。政府はセウォル号特別法が2015年1月1日から施行されたという理由で、1年9カ月目のこの日、特調委の活動は終了すると通告した。予算と人員を取り揃えて実際に活動を始めた去年8月から起算するのが穏当なはずだが、頑として聞かない。昨年の1月1日を起算日とするの一点張りだ。人員と装備を撤収し、予算も絶ち、コンピューターネットワークへのアクセスも遮断してしまった。まだ引き上げられていない9人が海の底にいて、沈没の真相も依然として糾明されていないのに、特調委を事実上強制解散させるというのだ。

 特調委に対する妨害は前々から激しかった。政府とセヌリ党は法制定の時から特調委の権限を縮小しようとした。施行令も、調査対象である政府がむしろ調査過程を掌握して特調委の調査範囲を政府の既存の調査結果を検討する程度に限定するなど、特調委の活動をはじめから締め付けた。与党推薦の委員は事実上の「妨害組」となって調査活動のあらゆる事にたて突き、とんでもない歪曲で特調委の活動を非難し侮辱した。大統領は多くの税金が使われているとして、不満を露わにしたし、惨事の元凶と言うべき海洋警備安全本部(旧海洋警察庁)は特調委の証拠資料提出の要求も拒否した。特調委が国会に要請した特別検事の任命も、政府・与党の拒否で実現しなかった。甚だしくは特調委に派遣された公務員が委員長の業務指示を無視するなど、あからさまに業務を妨害したりしたそうだ。一体何を恐れてこれほどまでに必死になって真相糾明を妨害するのか、尋ねざるを得ない。

 そんな困難な条件の中でも特調委は、大きいとは言えないが成果を上げている。政府のコントロールタワーが初めから存在していなかったという事実や大統領府がセウォル号関連の韓国放送(KBS) の報道に介入したという事実、政府が発表した救助・捜索活動は実際とは違っていたという事実などを明らかにし、惨事当時の交信の音声と映像が操作され削除された可能性があるという疑惑などを提起した。しかし明らかになった真実は一部に過ぎず、多くの疑惑が依然として糾明されないまま埋もれている。

 そもそも惨事の真相をまともに糾明して再発防止のための根本的な社会変化を成し遂げるという事が、1年と数カ月くらいの短い期間に可能な問題では決してなかったはずだ。特調委が政府によって終了させられたからといって、真実糾明をここで止めるわけにはいかない。新しい特別法と特別検事導入を推進するなり民間レベルで真相糾明を引き継いでいくなり、なすべきことは続けていかねばならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力: 2016-09-30 17:52

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/763614.html  訳A.K

関連記事