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[社説]“統一大当たり論”の限界示した演説

 朴槿恵大統領が28日、東ドイツのドレスデン工大での演説で‘韓半島平和統一のための構想’を発表した。自身が今年初めから喚起している“統一大当たり論”(訳注・統一に伴う特需論)を具体化する内容が盛り込まれると期待されたものの内容は不十分だった。政府は内容のない統一論議を広めるより、もう少し実質的な対北政策樹立に力を注ぐことを望みたい。

 ドレスデン演説で提示した対北提案は離散家族対面の定例化、北の妊婦と乳児を支援する‘母子パッケージ事業’、北での複合農村団地造成支援、羅津(ナジン)や新義州(シンウィジュ)での国際協力事業、歴史研究・文化芸術・スポーツ交流奨励、南北交流協力事務所設置、非武装地帯世界平和公園造成などだ。このような課題を非核化と連係させずに推進すると話したことは一定の進展だ。現政権の対北政策である‘韓半島信頼プロセス’の信頼構築過程にあたるものを初めて示したわけだ。非核化がなされた場合の北の国際金融機構加入や国際投資誘致支援などの提案もあったが、遠い将来のことであり現段階では特別の意味はない。

 今回の提案の最大の問題は、北の要求を考慮しない一方的な内容だという点だ。北が最も望むものは何であるかを考えずに、南として行いたいことだけを並び立てたわけだ。そのために北が最も必要としている肥料・コメ支援などは漏れてしまった。 5・24措置の緩和・解除などの大きな流れを無視して細部を並べ立てていることも限界だ。実際、提案内容は高位級の接触が正常化すれば全て議論できるものだ。その上、今回の提案には政治・軍事分野が全く言及されず現実性を欠いている。以前の南北合意がさまざまな分野の均衡を図っていたことと比較されよう。

 現在の南北関係は統一という言葉すら持ち出せない状態だ。離散家族対面が再開されはしたものの、継続する話は全くなされていない。 韓-米軍事訓練と北のミサイル発射などを巡って緊張が続く中、最近は熾烈な舌戦も再開されている。高位級接触を行うことを決めた2月の合意は面目を失うほどだ。今必要なことは韓半島の状況を管理し、交流協力を進展させる実質的な策だ。政府は北核問題を解くための6者会談再開に関連して消極的な態度を守っている。

 それでも今回の提案が南北関係の新しい突破口となるようにするには、南北高位級の接触が一日も早く再開されなければならない。朴大統領は‘全く違う生活を送ってきた人々に開かれた心(開放的姿勢)で接して、彼らの話に耳を傾けるべきだ’というドイツのアンゲラ・メルケル首相の言葉を肝に銘じることを望みたい。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/630354.html 韓国語原文入力:2014/03/28 20:45
訳T.W(1191字)