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【ハンギョレ プリズム】ホ・ジェホと江汀(カンジョン)村の罰金 / クォン・ヒョクチョル

登録:2014-03-29 00:11 修正:2014-03-30 00:03

ホ・ジェホ元テジュグループ会長が光州(クァンジュ)刑務所で1日8時間、紙袋に糊付けする仕事をしながら一日5億ウォンの罰金を支払っている。罰金を払うお金がない場合、矯正施設で仕事をして罰金を棒引きする換刑留置制度が適用されたわけだ。去る22日にニュージーランドから帰国する前には現地でヨットとカジノ賭博を楽しんでいたというホ元会長が、本当にお金がないかどうかは分からないが。

 庶民が罰金を払わず労役場に留置されれば、大概一日5万ウォンから10万ウォンとして計算される。ホ・ジェホ元会長はこれより1万倍も高い。ホ元会長の一日5億ウォンの“皇帝労役”を見ながら、私は済州(チェジュ)海軍基地の建設に反対して罰金爆弾で焦土化された西帰浦(ソギポ)江汀村(カンジョンマウル)の住民たちのことを思い出した。私が見るには、ホ元会長には春のそよ風のように寛大な法の尺度が、江汀村の住民には秋霜のように厳しい。

 人々の関心からは遠ざかってしまったけれども、江汀村の入り口には「海軍基地、決死反対」の黄色い旗が依然として翻っている。海軍基地の工事現場の正門のところで、天主教司祭の“生命平和ミサ”もずっと開かれている。7年目になる済州海軍基地建設工事反対運動の中で、江汀村で逮捕・連行された人が663人、累積拘束者38人、裁判の結果、刑が確定された人230人、罰金額は3億ウォンを超える。罰金爆弾に江汀村共同体は風に飛ばされた雹のように散らばった。

 罰金3億ウォンは、みかん農業を営む江汀村の住民たちと、保守勢力が外部勢力と後ろ指を指す平和の守り手たちには到底手に負えない金額だ。江汀村の住民たちは「気安く言うが、3億ウォンがどこかの子どもの名前か」ともどかしさを訴える。

 江汀村の平和の守り手たちの事情も似たようなものだ。生業をたたんで江汀村で過ごす彼らは、携帯電話の料金を払うお金もないほど貧しいという。彼らは時間があれば江汀村の近くのみかん畑でアルバイトをしなければならないほどだ。昨年3月と8月、150万ウォンと200万ウォンの罰金刑を言い渡された平和の守り手2人が「不当な罰金を払うわけにはいかないし、払う金もない」と言って、済州刑務所の労役場に自ら収監された。

 江汀村の住民たちは罰金と裁判費用を工面するために、済州道の特産物であるハルラボン(でこぽん)や黒豚などを売っている。今まで各界各層から募金と展示、販売などを通じてカンパを集めたが、雪だるまのように膨らむ罰金と裁判費用をまかなうには到底足りない。

 昨年12月には、罰金を支払うために後援口座を開設し、市民たちから後援金を募ったカン・ドンギュン当時江汀村会長が、済州地裁で罰金700万ウォンを言い渡された。コブ(罰金)を取ろうとして、コブ(罰金)がもう一つ付いてしまったわけだ。現行法上、寄付金が1000万ウォンを超えれば道知事に登録しなければならないが、カン元会長は登録をしなくて起訴された。江汀村会は「検察が、純粋な心で江汀の住民を応援しようとしてくれた団体や個人に対し裏調査をし、市民の後援まで阻んだ」と反発している。

 見るに見かねた各界の人士が乗り出した。江汀村の住民などの裁判費用や罰金などを分けて担おうと、江汀法律支援募金委員会が26日に発足する。募金委には江汀ヒーリング屋台を運営していたオ・ヨンエさん、キム・ソヌ詩人、キム・ジョンウク イエズス会神父、キム・ジョンフン全国教職員労働組合委員長、パク・レグン人権財団サラム所長、パク・チュミン民主社会のための弁護士会事務処長、シン・スンチョル民主労総委員長、イ・ソクテ参加連帯共同代表らが参加した。

 江汀村の住民たちが払わなければならない罰金3億ウォンは、ホ元会長が刑務所の労役場で半日だけショッピングバッグに糊をすれば払える金額だ。もし裁判所がホ元会長のように江汀村の住民にも労役場の日当を5億ウォンに策定してくれれば、江汀村の罰金爆弾問題も一気に解決されるはずなのに・・・。現行法が労役の日当を裁判官の裁量で定めるようにしているというので、春の昼下がりにちょっと考えてみたことだ。

クォン・ヒョクチョル社会2部地域デスク nura@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/SERIES/157/629786.html 韓国語原文入力:2014/03/25 18:33
訳A.K(1874字)