本文に移動

[現場から]‘日本人のみ入場’と'‘朝鮮人を殺せ’の差異

登録:2014-03-14 22:41 修正:2014-03-15 09:31

振り返って見れば恥ずかしい‘判断ミス’だった。

 事件の発端は三日前の11日付<朝日新聞>の報道だ。 新聞はこの日スポーツ面(23面)で、8日埼玉をホームとするJリーグ サッカーチーム浦和レッズのサポーターが、ホーム球場の応援席出入口に‘日本人のみ入場’(Japanese Only)という横断幕を掲げたのは "人種差別的行動" だと報道した。‘これがそんなに大きな問題なのか’この程度の安易な判断で記事をそのまま流し読みしたようだ。

 予想外に日本社会の対応は機敏だった。 各言論でこの横断幕を非難する記事が続くと、13日に淵田敬三 球団社長が頭を下げて謝罪し、Jリーグは球団に対して23日のホーム競技を‘無観衆’で行えとの懲戒を下した。 Jリーグで無観衆競技が行われるのは今回が初めてであり、非常に重い懲戒であることは間違いない。 日本社会の人権意識と市民社会の成熟した対応を見られる良い事例だという気がした。

 しかし、ふと横断幕の文面が‘朝鮮人出入り禁止’と記されていたとすれば、果たしてどうだったろうかという気がした。 余計な被害意識ではない。 すべての新聞が浦和レッズを非難した14日、<東京新聞>は1面で東京都豊島区が "朝鮮人を殺せ" という反韓デモ(ヘイト スピーチ)を主導する‘在日特権を許さない市民の会’(在特会)の公会堂(区民会館)使用を承認したというニュースを伝えた。 記事を見ると、人種差別を助長する団体の会館使用を許容してはならないという意見もあったが、区では 「集会の自由も重要だ」として、結局許可を出したという。

 人種差別は犯罪であり、それを許容してはならないというJリーグの決定を歓迎する。 しかし社会の別の片隅では露骨な人種差別集会が許され、これを禁止しようという人々に‘表現の自由’を突きつける。 政府は更に上手で、朝鮮学校を高校無償化対象から除外して社会の差別意識を助長し、暇さえあれば慰安婦問題と関連した国家の責任を否認している。

 すべての差別は具体的なので、サッカー場で‘差別が悪い’と言うだけでは不十分だ。 それで東京の図書館で<アンネの日記>が毀損された事件に怒る社会が、慰安婦と南京大虐殺を否認する発言は容認するという矛盾が発生する。 サッカー場の日本と、在特会の日本。 どちらが日本社会の本当の姿だろうか。 どちらが本当の姿でなければならないのか。

東京/キル・ユンヒョン特派員 charisma@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/628319.html 韓国語原文入力:2014/03/14 20:51
訳J.S(1167字)

関連記事