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[社説] 北韓は国際社会の‘人権要求’を履行せよ

登録:2014-02-19 20:10 修正:2014-02-19 21:50

 国連の北韓人権調査委員会が17日、372ページに及ぶ人権調査報告書を作成したことにより、北韓の人権問題に対する国際社会の接近方式が新たな段階に入った。北韓は人権問題を否認するのではなく、国際社会の要求を受け入れる立場を見せるよう望む。

 報告書の主要内容は大きく二点だ。一つは、北韓で‘最高指導層の政策と決定により組織的で広範囲で深刻な非人道犯罪が強行されてきた’というものだ。政治犯収容所および一般収容所の収監者や宗教家、反体制要人、脱北計画者を対象にした人権侵害がこれに該当する。もう一点は、‘国際社会が北韓住民に対する保護責任(R2P、Responsibility to protect)を負うべき’として、その方法の一つとして国連安保理が北韓政府を国際司法裁判所(ICC)や国連の臨時裁判所を設けて責任者を制裁するよう勧告したのだ。保護責任は、2005年の国連首脳会議決議と2006年の安保理の再確認を経て国際規範に認められた原則で、2011年のカダフィ大統領の虐殺からリビア国民を保護するために初めて適用されたことがある。

 昔も今も北韓は人権問題の存在を認めない。北韓側は今回も‘人権保護を口実に政権を交替させようとする試みと圧迫に強力に対応する’としている。人権調査委が勧告した国際司法裁判所に諮ることや臨時裁判所の設置も安保理常任理事国である中国やロシアが同意しなければなしえない。当面は報告書の内容を強制する手立てはないわけだ。しかし今回の報告書は北韓の人権実態と責任所在に対する国際社会の判断基準を設定したという点で意味がある。

 北韓が‘最悪の人権侵害国’という汚名から抜け出す道は、誤った制度と慣行を変えていくことしかない。報告書が勧告した政治犯収容所の閉鎖、出身成分(訳注・身分制度)による差別と住民監視の廃止、移動の自由の保障や脱北者の保護がその一部だ。北韓がこのような要求を拒否すれば国際社会の圧力はいっそう強まるだろう。北韓が要求事項を自ら履行できない場合、国際社会に助けを要請することも避けてはならない。実際、北韓住民の食糧権の保障などは独自に解決するのは容易でない。

 わが国政府は、北韓が実質的に人権改善措置を取れるよう協力しなければならない。北韓が最も憂慮するのは体制不安であるだけに、まず民間次元の交流・協力と人道的支援を拡大する必要がある。南北関係の進展後には人権問題を議論する共同委員会などを構成できるはずだ。いかなる場合でも北韓の前向きな態度が最も重要なことは言うまでもない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/624705.html 韓国語原文入力:2014/02/18 18:43
訳T.W(1181字)

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