4日に政府が発表した‘仕事をする女性のための生涯サイクル別経歴維持支援策’は、女性が職歴の切れ目なく自分の能力を生かしていけるように促進するものと解釈できる。 特に女性の経歴断絶の最大要因と見られる出産および保育による退職を防ぐため育児休職の便宜を拡大して、保育負担を減らそうとする制度が注目される。
現在、国内全体の雇用率は64.4%を記録しているものの、女性の雇用率は53.9%に過ぎず、74.9%の男性雇用率と大きな差がある。全体の雇用率を2017年までに70%に引き上げることが政府の目標であるだけに、女性の雇用率に主眼を置いていることは方向性は間違っていないと言える。あえて雇用率の問題にこだわらなくとも、人類の半分を占める女性の能力を活用せずに国や企業が成長することはできない。そうした点から政府の今回の対策が良い結果をもたらしてほしいと思うのは皆の思いだろう。ドイツの場合、2004年に59.2%だった女性の雇用率をわずか4年後の2008年には64.3%に高めた例があるという。
しかし出産休暇や育児休職、短縮勤務は遠い世界の話である女性が我が国にはあまりにも多い。女性労働者の80%程度が勤めている100人以下の小規模企業では、依然として妊娠すれば退社しなければならない雰囲気になっているのが現実だ。いくら良い制度があっても実行されなければ無用の長物だ。政府はこのような企業文化を変えることにまず主力を注ぐべきだろう。企業に対して税制支援などの誘引策をとり、強制的に辞表を書かせようとする企業には鉄槌を下すという断固とした態度が必要だろう。
企業も変わらなければならない。企業は妊娠女性を業務効率を落とす‘障害物’と短絡的に考えがちだが、長期的な観点で見ればキャリアのある女性は企業の生産力向上と競争力向上に役立つ人材であるという点を理解すべきだ。韓国女性政策研究院の研究結果によると、妊産婦支援や養育費支援など、家族団らんの福祉制度実行後の売上増加率は37.1%で、一般企業の平均増加率である20%より高く現れた。
さらに根本的な対策は女性が人気の高い仕事に進出する機会を増やすべきという点だ。女性雇用の主要課題は、働き口が不足している点にあるのでなく、就職したい働き口がないということだ。女性の働き口が低賃金で長期労働を要求する非正規職に偏っている限り、政府の今回の対策がいかにもっともらしく見えても、雇用を増やすには明らかな限界がある。働き口の量的成長を望むならば働き口の質を改善する努力が伴わなければならない。