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[社説] 政府の無能ぶりを表した‘日本からの実弾借入れ’

登録:2013-12-25 21:07 修正:2013-12-26 08:38

 戦場に銃もなしで出向くという表現がある。準備もせずに無謀に行動することを皮肉る時によく使う言い方だ。ところで実際にわが軍でこうしたことが繰り広げられた。紛争地域である南スーダンに国連平和維持軍として派遣されたハンビッ部隊が実弾が足りなくなって現地の日本陸上自衛隊から小銃実弾1万発を支援されるという呆れ返ることが起きたのだ。

 軍作戦計画の樹立は徹底した情報判断から始める。今回の件は基本的に、わが軍が現地の治安状況と反乱軍の活動動向、交戦の可能性などを事前に精密に把握し、それによって周到綿密な作戦・軍需支援計画を樹立できなかった結果だ。そして内戦状況が次第に悪化しているのにも関わらず、手をこまねいて我が将兵の生命が脅やかされる状況になると、すぐにあたふたと‘日本軍’に助けを求めたわけだ。韓国に弾薬を貸した‘日本軍’も我が国同様工兵中心の非戦闘部隊だが、弾薬備蓄を十分に確保していたという点を考慮すれば、わが軍の無能と判断ミスは弁解の余地がない。それなのに国防部のスポークスマンたる者が「人の世は確率が1%の時も0.1%の時もあるもので、いかなる状況にも備えて暮していけるか」と話したのを見れば、あきれるばかりだ。

 わが軍は純粋な軍事的判断でも重大な失策を犯したが、政務的判断でもやはり無能さを露にした。日本が‘積極的平和主義’を掲げて、集団的自衛権を追求している状況で、他でもない実弾という軍需物資を供給されたことは実に重大な問題なのに、全くたいしたことではないと思っている。これは単純な軍の判断ミスを越えている。このような敏感な問題は大佐級の現地部隊長の判断に依存するものでも、国防部次元で決める事案でもない。

 それなのにわが国政府の関係者たちは皆放ったらかしにしている。日本が総理主宰の国家安全保障会議(NSC)を開いて、韓国軍に対する実弾支援問題を議論して、官房長官名義の談話文まで出したのとは対照的だ。今回の事案はわが国政府の外交・安保ライン責任者の油断と能天気ぶりがいかに深刻かを端的に見せている。

 もちろん日本が韓国軍に対する実弾提供を積極的平和主義を正当化する名分とすることは理屈に合わない。しかし日本が国際社会で自分たちの立場を強化できるよう韓国が自らお膳立てしたことは否めない。他でもない韓国が「‘日本軍’の武器・弾薬提供1号国」として登場して、日本の‘広報大使’の役割を買って出た形であり、実に恥ずかしいことこの上ない。

 今回のハンビッ部隊実弾借入れの件は、このまま曖昧にできる事案ではない。軍の初期判断ミスから、実弾の支援を受けることになった正確な経緯、間の抜けた政府の意思決定構造などを綿密に調べ、関係者に対して厳格な責任を問い、補完策を整えなければならない。朴槿恵政府がつねづね安保・外交分野の成果を自画自賛しているが、重要な軍事・外交問題では極度の無能ぶりをあからさまにしているのだから、真に残念なばかりだ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/617001.html 韓国語原文入力:2013/12/25 19:10
訳T.W(1349字)

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