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[ユレカ] 進撃の巨人/ペク・キチョル

登録:2013-05-28 06:54 修正:2013-05-28 10:04

 日本のテレビアニメ「進撃の巨人」が最近人気を集め、様々なパロディを生んでいる。先月日本で放映が始まったこのアニメは我が国でも放映されており、ポータルサイトの検索語上位順位に何度も載るほど人気を得ている。正体不明の巨人が現れて人間を食べていき、絶滅の危機に瀕した人類が彼らと対決するストーリーだ。巨人を避けて人類は50mの巨大な壁を築いて生きていくが、100年後により大きな巨人が城壁を越えて来て、無差別的に人間を殺戮する。初めに2009年に日本でマンガとして発刊されて、人気を集めた。

 人を食らう巨人の話が大人にまで話題になるのは、最近の私たちの社会の寂しい現実と無関係でないように見える。正体不明の巨人は、乙をむやみに踏みにじる甲であり、労働を絶えず絞り取る資本で、動物を絶滅の危機まで追い詰める人間でありうる。インターンの女性を踏みにじった高級官僚でもある。

 「進撃の巨人」のパロディの中では「真相の巨人」が圧巻で、尹昶重(ユン・チャンジュン)前大統領府報道官のセックススキャンダルを扱ったものだ。ある時事漫画家が描いた4コマ漫画で、酒席で参席者が囲まり「食堂のおばさんと思って触った」「ルームサロンでは天然物が人気です」「アナウンサーになるには、全て差し出さなければ」と話す。 それぞれ崔鉛熙(チェ・ヨンヒ)、安商守(アン・サンス)、康容碩(カン・ヨンソク)前議員のセクハラ発言を遠回しに指しているのだ。「ぶさいくなマッサージガールはサービスがいい」という李明博前大統領の「マッサージガール発言」も出てくる。最後には「コミ屑ども」と叫んで「真相の巨人」が酒場の壁を越えて登場するが、彼の体には「史上初 首脳外交実行中 グローバルセクハラ」と記されている。

 アニメがこれほど注目されるのは、巨人に対抗する人間のすさまじい死闘があるからだろう。 巨人の侵略の際に母親を目の前で失った主人公のエレン・イェーガーは、軍に入隊して全ての巨人をなくすのを人生の目標として生きていく。果たして私たちの主人公は、この世の「巨悪」をはね除け、多くの乙と労働者と動物たちの涙をふくことができるのだろうか?

ペク・キチョル論説委員 kcbaek@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/589028.html 韓国語原文入力:2013/05/26 22:21
訳M.S(1042字)