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[社説] 映画監督の同性結婚発表について

登録:2013-05-16 22:06 修正:2013-05-17 08:45

 映画監督のキムチョ・グァンス氏が15日、記者会見して同性結婚式の計画を発表した。国内で有名人が同性結婚を公けに明らかにするのは初めてだ。キムチョ監督は2006年にカミングアウトした後、性的少数者の運動を着実に繰り広げている。キムチョ監督の発表を契機に性的少数者に対する差別禁止問題が幅広く提起されるものと見られる。

 我が国で同性結婚は法的地位を認められていない。民法が同性結婚を認めないためだ。キムチョ監督は結婚後、婚姻届が差し戻されれば憲法訴訟をする態勢で、本格的な同性結婚の合法化運動を予告している。

 性的少数者運動の歴史が長い西欧とは違って、我が国の性的少数者の人権の現実はかなり遅れている。先月の国会では野党議員が同性愛者などに対する差別禁止法制定案を発議したが結局撤回した。同性愛を認めようと言うのかという一部保守キリスト教界の反発のためだった。差別禁止法は宗教、思想および政治的指向、性的指向などについて合理的な理由なく差別することを禁止する内容が盛り込まれている。簡単に言えば同性愛者だからと新入社員選抜から脱落させたり解雇してはならないということだ。軍刑法第92条6項は同性愛処罰法という批判を受けている。この条項は、軍人間の同性愛について2年以下の懲役に処するとしているが、国際的な同性愛を非犯罪化傾向に逆行しているという指摘だ。

 同性愛者に対する社会的差別が広範に存在する私たちの社会では、同性結婚の問題は贅沢に見えるほどだ。西欧でも同性結婚の合法化を巡っては論議が多い。フランスでは3月に激しい議論の末に同性結婚が合法化された。これまで14ヶ国が同性結婚を合法化し、米国など3ヶ国は一部の自治州で合法化を認めている。

 同性愛、性的少数者の問題は他人の問題でなく自分の家族、自分の知り合いの問題として見る必要がある。同性愛に対する差別のために苦痛に満ちた生活を送っている彼らは、私たちの隣人であり友人・姉妹ならば問題が違ってくる。ちょうど今日(17日)は国際性少数者嫌悪反対の日だ。世界保健機構(WHO)が1990年に同性愛は病気でないことを公式に認めたことを記念する日だという。青少年らに特定の性的指向を推奨したり、あおったりするわけではない。ただし、どうすることもできない性的指向を理由に社会的な人生を営む際に差別を受けて不利益にあってはならない。キムチョ監督の発表を契機に同性愛者に対する差別禁止から結婚合法化に至るまで性的少数者の問題に対する真剣な議論につながることを期待する。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/587770.html 韓国語原文入力:2013/05/16 18:59
訳T.W(1170字)

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