社会福祉担当公務員が過重な業務とストレスで命を絶つ事件が相次いでいる。1月に京畿道(キョンギド)龍仁(ヨンイン)で、2月には城南(ソンナム)で投身事件が発生したのに続き、今月には蔚山(ウルサン)で福祉担当職員がマイカーで自ら命を絶った。社会福祉士が外傷性ストレス障害を訴えるなど、福祉職全体に衝撃を与える事件だ。 福祉政策の拡大で耐えられない程に業務プレッシャーが激しくなり、残念なことに一線の公務員たちが最後の選択に追い込まれているのだ。政府は直ちに実態を把握して対策を整えなければならない。
社会福祉の公務員たちは、退勤が早くても夜10時で、週末も福祉給付の精算が終わった月末にやっと休む程度の激務に苦しめられているという。彼らは福祉費の支援申請を受けつけるだけでなく、所得水準調査、相談、現場訪問調査まで担当している。厳しい福祉受恵資格の審査に不満を抱いている申請者を相手にしていれば、くたくたに疲れるのが常だ。先月命を絶ったカン氏は2分に一回ずつ電話が鳴って大声でののしられ、追いかけてきた申請者のために一日中心臓がどきどきしているほどだと訴えた。表面に現れないだけで、過労で健康が悪化し、流産などの無念な体験をすることも珍しくないという。
社会福祉公務員たちをこのように劣悪な状態に追いやっている政府と政界の無関心を恨まざるをえない。経済状況が悪化して福祉政策が拡大し、福祉担当公務員の業務量は大きく増した。これに賃貸住宅対象者選定から保育費支給、無料給食申請まで既に他の政府部署や公共機関で行っていた業務まで福祉という名がつけば全て福祉担当公務員に押し付けられている。13部署292種の福祉業務が一線の住民センターの職員に押しつけられる仕組みだ。一線の担当公務員を大幅に増員しなければならないのに、実際には形だけの増員があっただけだ。その結果3,4人ですべき業務を1,2人で引き受けているのが全国の住民センター10ヶ所中で8ヶ所の割合になった。
国民の生活の質向上のために社会の脆弱層の世話をする彼らに個人の生活の質を犠牲にするよう求めている現実は皮肉なことに違いない。福祉の伝達業務を行う彼らを死に追いやりながら、国民の幸福を口にするのは異常だ。福祉の分野で最も勤務環境が良いとされる公務員がこのような実情なのだから、さらに劣悪な民間の社会福祉機関や施設で仕事をする社会福祉士の勤務環境については言及することさえ申しわけない。福祉担当の公務員を増やして一般公務員と業務を分担するようにするなど処遇を改善して福祉の伝達体系を再整備すべきだ。