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[社説] 旧正月を酷寒の激風の中で迎える労働者

登録:2013-02-09 23:08 修正:2013-02-09 23:10

 数日前、才能教育社を解雇された労働者オ・スヨン、ヨ・ミンヒの両氏がソウル市鍾路区恵化洞にある教会の鐘楼に上がって高所での座り込みに入った。2007年自分たちを解雇した才能教育本社が道の向かい側に見える所だ。二人の女性は‘団体協約を締結しなさい’‘解雇者全員の原職復職’と書かれたプラカードを掲げて無期限座り込みをしている。苦難と救いを象徴する十字架の隣で体感温度が零下20度前後の厳寒とも戦う二人の女性の闘争に、身を刺される思いがする。才能教育解雇者たちの戦いは今日で1877日目だ。

 二人のように民族の重要な節句である旧正月を凍てつく風の中で迎えなければならない労働者はあまりにも多い。双龍(サンヨン)自動車のハン・サンギュン前労組支部長ら3人は京畿道平沢の双龍車工場近くの鉄塔で80日近く座り込み中で、他の双龍車解雇者らはソウル三清洞の大統領職引継ぎ委員会前で野宿座り込みに入っている。蔚山の現代自動車解雇者のチェ・ビョンスン氏ら2人の鉄塔座り込みは100日を越えて久しい。延々と2000日を超えて工場を占拠し座り込みを繰り広げたコルト・コルテク社の解雇労働者は結局警察によって工場から追い出された。

 今この地の労働者たちにとって絶望は日常となっている。 "ともに生きよう" というか細い叫びは会社と政府、政界の無視に阻まれ、むなしいこだまに終わっている。とりわけ新政府の無関心が彼らをより一層崖っぷちに追い込んでいる。朴槿恵 次期大統領は "国民皆が幸せな100%大韓民国" を作ると約束したが、解雇労働者たちは自分たちが大韓民国の国民としてますます排除されていることを痛感するばかりだ。

 誰よりも朴氏が解雇労働者たちの切迫した声に耳を傾け手を差し出さなければならない。今月初め民主労総がハンギルリサーチに依頼して実施した世論調査の結果を見れば、国民の90.8%が新政府のスタート前に労働界の懸案を解決しなければならないと答えた。双龍車問題を解決するための国会国政調査の実施に77.6%が同意し、大法院の不法派遣判決を現代車が直ちに履行しなければならないと考える国民も87.1%にもなった。

 世論調査で確認されるように、労働懸案の速やかな解決こそ、朴氏が社会大統合の約束を実践する近道だ。国民の信頼を受けて新政府が力強く発足する土台でもある。もちろん解雇労働者の皆が直ちに仕事場に戻ることは難しい。しかし朴氏が労働懸案解決に積極的に取り組むと明確にすれば、鉄塔と鐘楼、そして路上で正月をむかえる解雇労働者たちは体と心の寒気をささやかでも振り払えるはずだ。解雇労働者たちが希望を胸に抱いて正月を迎えられることを期待する。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/573207.html 韓国語原文入力:2013/02/07 19:12
訳T.W(1244字)