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[社説] 国内を整えた北朝鮮の次の動きに備えるべきだ

登録:2012-12-19 06:51 修正:2012-12-19 08:34

 昨日で北朝鮮の金正日国防委員長が死亡してちょうど1年をむかえた。彼の三男である三十才にもならない金正恩労働党第1秘書が事実上権力を継承してからも1年になる。金第1秘書ら党・政・軍の高位幹部は一昨日、中央追慕大会に参加したのに続き、昨日は金委員長の遺体が安置されている錦繻山(クムスサン)太陽宮殿を参拝した。

 数日前には金委員長の遺言事業である長距離ロケット発射に成功したので、金第1秘書の威信が非常に高まり、権力基盤はより固くなったといえる。キム・ヨンナム常任委員長が中央追慕大会の演説で、金第1秘書が "国防委員長の遺言を貫徹するための闘争を精力的に指導した" と褒め称えたことからもそのような雰囲気をうかがうことができる。金第1秘書は7月、父親の時期の軍の実力者であるリ・ヨンホ人民軍総参謀長を電撃解任するなど、親衛体制構築にも拍車をかけている。軍の大々的な改編と強力な内部統制を権力継承過程の異常兆候と解釈する見解もあるが、彼が外部からの見方とは違って安定的に状況を管理しているというのが一般的な評価だ。

 だが金第1秘書の最大の弱点はやはり市民生活の改善だ。彼は4月15日金日成主席の生誕100年記念日を迎えて行った初めての公開演説で "これからは人民に腰のベルトを締め上げさせないようにする(腹を空かせないようにする)" と公言した。農業部門の自律性とインセンティブを強化する内容の6・28経済管理改善措置も発表した。ところが、このような改革措置は全て外部資源の投入を必要とする課題だ。北朝鮮が閉鎖経済を維持する限り、簡単には改善し難い。今北朝鮮では高いインフレーションと生産・供給不足が激化し、市民生活が苦難にあえいでいるという。また相次ぐロケット発射によって中国を除く外部世界との交流が事実上断絶している。

 ロケット発射と親衛体制構築を終えた金第1秘書は、来年は市民生活のためにも南-北、北朝鮮-米国、北朝鮮-日本など対外関係改善に積極的に取り組む可能性が高い。次期政権はこのような可能性を念頭に置いて早くから着実に対策を準備する必要がある。ロケット発射にともなう感情的強硬論だけにとらわれていては新しく展開する対話の局面で孤立しかねないと言うことを忘れないでもらいたい。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/565894.html 韓国語原文入力:2012/12/17 22:23
訳T.W(1074字)

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