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[社説] 歴史博物館、朴槿恵選挙のために献納するのか

登録:2012-10-23 10:00 修正:2013-02-24 19:53

 予想どおり大韓民国歴史博物館の実体が大韓民国歴史歪曲館であることがあらわれている。 開館時期も大統領選挙運動が本格化する11月22日に前倒しされ、歪曲された歴史を選挙に利用する中心的機能を果たすことになる形だ。 独善と不通、政策失敗で綴られた李政権の悪政が歴史歪曲と国民の意識操作として整理されるわけだ。

 この博物館は憲法前文に明記された上海臨時政府を否定する李政権の観点に基づき当初から推進された。 そのような観点は2009年光復節を建国節に変えようという提案に具体化された。 光復会はもちろん学界と市民社会の広範囲な反発に直面し建国節波動は潜水したが、観点自体は不動だった。 24人の建設委員の大部分は日帝による併呑と李承晩・朴正熙独裁とクーデターを美化するニューライト系の人物であり、その上 近現代史主専攻者は一人もいなかった。 国家主義と事大主義で固く団結したこれらの人々が展示構成と方向を定めたので博物館の性格は最初から決定されていた。 展示構成と方向を議論する過程で一部委員は席をけって退出した。 最近では大統領政策諮問委員団出身要人を博物館長に内定したので、もはやこれ以上言うことはない。

 国政監査過程で明らかになった展示内容はその結果であった。 全体的に胎動、基礎確立、成長と発展、先進化と世界への跳躍など‘成功神話’で構成され、李承晩・朴正熙独裁を称賛せざるをえなくした。 展示説明基礎資料で李承晩は28回、朴正熙が24回言及されたが、残りの国家首班は全て合わせて19回しか言及がないのはそのような理由だ。 5・16クーデターは張勉(チャン・ミョン)政府の無能のために発生したと記述し、世界司法史上暗黒の日と名指しされた人民革命党司法殺人関連記録はただの一件も展示されなかった。

 政府は教科書の現代史記述について論難が多いという理由で無条件に大幅に減らすと明らかにした経緯がある。 正しい姿勢ではないが、そのような基準ならば歴史博物館もそれにより展示内容の方向を決めなければならなかった。 ドイツ現代史博物館の場合、ヘルムート コール前総理が建設意志を明らかにして12年後に開館した。 その後も世論を受け入れて二度も大々的な補完作業を行った。 博物館は現在と過去が対話する所であり、特定の観点と解釈を強要する所ではない。 強要するならばそれは国家暴力だ。

 大韓民国歴史博物館は開館するやいなや朴正熙広報館に転落し、朴槿恵候補の運動に利用される運命だ。 先進化どころか後進的ふるまいの典型だ。 政府は開館を延期しなければならない。 行政府でも国会でも独立した機構を設置し、学界と市民社会の意見を集約し展示哲学と方向、内容を定めなければならない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/557046.html 韓国語原文入力:2012/10/23 08:15
訳J.S(1248字)