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ニュージーランドの「平和の少女像」設置、日本側の圧力により結局「白紙化」

登録:2026-04-29 06:33 修正:2026-04-29 07:21
オークランド市、最終的に設置認めず…「日本大使が反対の立場を表明」
今年1月、ドイツのベルリンの芸術・都市学センターに新たな設置された少女像「平和の少女像(アリ)」=チャン・イェジ記者//ハンギョレ新聞社

 ニュージーランドのオークランド市が、日本軍慰安婦被害者を象徴する「平和の少女像」の設置を最終的に許可しなかったことが分かった。日本政府がニュージーランド側に外交的圧力をかけた影響とみられる。

 共同通信は28日付で、「ニュージーランドのオークランド市の地区委員会は28日、旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する少女像(平和の少女像)の市有地への設置を認めないことを決めた」と報じた。同通信によると、オークランド市は地元の市民団体による「平和の少女像」の設置案を一旦了承したが、その後、一部から「平和の少女像」に関する懸念が寄せられたため、昨年9月に許可を一時保留した後、市民の意見を根拠に今回、最終的に設置を認めない立場を固めたものとみられる。

 オークランド市に設置しようとしていた「平和の少女像」は、韓国の「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)がニュージーランドの地域市民団体に寄贈したもので、オークランドのバリスポイント保護区内の韓国人文化庭園に設置する案が推進されてきた。昨年、「平和の少女像」の設置が順調に進んでいた際、日本政府が懸念を表明したものとみられる。共同通信は「大沢誠駐ニュージーランド大使は『日本とニュージーランドの外交関係に重大な影響を及ぼしかねない』と、設置に反対する立場を示してきた」と報じた。

 これに先立ち、英紙ガーディアンも10日付で、匿名の日本大使館関係者の話として、「『平和の少女像』が日本と韓国社会内の分裂と対立を招き、日本とニュージーランドの都市間の交流断絶を招く恐れがあるという声があがっている」と報道した。同紙によると、大沢大使は特に、オークランド市議会に提出した書簡で、「この問題に不要な関心を集めることは、日本と韓国の協力だけでなく、日本とニュージーランドの関係にも負担となりかねない」とし、 「2015年にニュージーランド政府が韓国文化庭園作りに必要な水道・電気代を支援しており、もし『平和の少女像』がここに建てられれば、ニュージーランドが政府レベルで『平和の少女像』の設置を支持しているという印象を与えかねない」と指摘した。また駐ニュージーランド日本大使館も「日本は被害女性たちの経験を否定したり軽視したりする意図は全くない」としつつも、「この運動は一部の韓国人の主導で行われた『反日運動』の一環であると信じており、日本人と韓国人の和解の代わりに、他国の地域社会に分裂と対立をもたらした」と主張したという。

 一方、ニュージーランド現地で「平和の少女像」の設置を主導した団体側は、日本政府が被害女性たちに加えられた暴力を隠そうとしているとして反発した。ガーディアンの報道によると、銅像の設置を推進する「アオテアロア(マオリ語で長く白い雲のたなびく地と言う意味で、現在のニュージーランド全土を指す)ニュージーランド平和の少女像委員会」側は、「『平和の少女像』の設置は、幼い少女や若い女性たちに加えられた暴力を認め、彼女たちの尊厳を記憶するためのもの」とし、 「地球の反対側で女性たちを記憶しようとする記念碑の設置に向けた取り組みを、日本政府が沈黙させようとしている」と反発した。

 「平和の少女像」は2011年にソウルに初めて建てられて以来、民間団体や個人の活動により、米国のサンフランシスコ、ドイツのベルリンなど海外にも数十体が設置された。そのたびに日本政府や一部の地方自治体は、執拗に反対活動を展開してきた。実際、2018年に米サンフランシスコが慰安婦被害者に関連する銅像を公共財産として認定しようとした際、日本の大阪市がこれに反発し、「姉妹都市」提携を解消した。昨年、ドイツのベルリンでも日本政府や右翼団体などの反発が続き、「平和の少女像」が撤去される事態があった。同少女像は、ベルリンの文化施設である芸術・都市学センター(ZK/U)が、私有地であるセンター建物の前の敷地の一角を新たな設置場所として提供し改めて設置された。

 今回のオークランド市の決定の根拠となった市民の意見の募集に関して、共同通信は「6割近くが反対意見だった」と報じた。しかしガーディアンは、「平和の少女像」の建立提案に対して寄せられた意見672件のうち、個人の51%が反対し、団体21団体のうち13団体が反対したと報道した。意見を提出した人々のうち、ニュージーランド在住の日本人が36%、韓国人が34%だったと同紙は説明した。

東京/ホン・ソクジェ特派員、チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1256243.html韓国語原文入力:2026-04-28 16:05
訳H.J

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