米下院司法委員会が、ネット通販大手の「クーパン」問題について公式調査に着手した。このため同委員会は、ク―パン韓国法人のハロルド・ロジャース臨時代表に対し、過去6年間にわたる韓国大統領室・政府・国会との通信記録一式を提出し、議会で証言するよう命じる召喚状を発付した。
共和党所属のジム・ジョーダン下院司法委員長と規制改革・反トラスト小委員会のスコット・フィッツジェラルド委員長は5日(現地時間)、ロジャース代表に召喚状(subpoena)を発付し、今月23日に下院司法委員会に出席して証言するよう命じた。召喚要求に応じない場合、議会侮辱罪で起訴される可能性がある。司法委員会が出席を求めたのは公開聴聞会ではなく、証言録取(deposition)手続き。委員会所属の弁護士らが非公開で行う調査で、長時間にわたり詳細な事実関係について尋問する。宣誓の下で証言し、偽証や虚偽陳述時には刑事処罰を受ける。
召喚状には、2020年1月1日から現在までの間にクーパンと韓国公正取引委員会、国家情報院などの韓国政府機関間で交わされた全ての文書とコミュニケーションを「編集されていない原本の形」で提出するよう求める内容も含まれている。韓国政府のクーパンに対する捜査や過程などが適法だったかについて、詳しく検証するためとみられる。韓国政府の調査、制裁、刑事手続きがクーパンと役員に及ぼす法的・事業的影響に関する文書も要求した。
司法委は調査に着手した理由として「韓国の公正取引委員会(KFTC)を含む政府機関が米国の技術企業を標的に差別的な規制を強化しており、米国市民に対し刑事処罰の可能性まで提起し脅している」点を挙げた。
司法委は韓国政府が推進中のオンラインプラットフォーム規制立法も問題視した。委員会は書簡で欧州連合(EU)のデジタル市場法(DMA)に触れ、韓国の規制構想が「米国企業に過度な義務と罰金を課す一方、自国の企業と中国のライバル企業には事実上(義務と罰金を)免除する構造」だと批判した。さらに「韓国公正取引委員会は他の規制当局に比べ、米国企業を対象に著しく大規模で強力な執行を進めている」と述べ、クーパンを代表的な事例に挙げた。
司法委は、韓国の捜査機関がロジャース代表を被疑者として取り調べ、偽証および証拠隠滅容疑を適用したことを「米国市民に対する刑事処罰の脅威」とみなした。委員会はこれについて、クーパンの主張をそのまま引用し、「約3000人の顧客に対する限定的で機密ではない情報が一時的に保管された後、すでに回収された事件にすぎないにもかかわらず、韓国政府は11機関にわたり400人の調査官を投入し、150回の対面会議と200回のインタビューを実施し、1100件を超える資料提出を要求した」と主張した。さらに「李在明(イ・ジェミョン)大統領がクーパンに対し強力な制裁と高額の罰金を科すよう促し、公正取引委員会は営業停止の可能性まで言及した」とし、「クーパンが国家情報院と協力して速やかにデータを回収し、利用者補償に合意した状況にもかかわらず、韓国政府は懲罰的措置を要求した」と指摘した。
クーパンはこれまで政府が発表した「個人情報流出3370万件」という数値に対し、実際に流出した情報は約3000件のアカウントに過ぎないと主張してきた。ところがクーパンはこの日、16万5000人余りの顧客のアカウント情報がさらに流出していた事実を新たに確認したと明らかにした。
韓国警察は、被害規模がクーパンの主張よりもはるかに大きいとみている。ソウル警察庁のパク・チョンボ庁長は先月26日の定例記者会見で「氏名やメールアドレスなどが含まれた資料が流出した件数はアカウント基準で3000万件以上」とし、「クーパンが主張する3000件よりはるかに多い資料が流出された」と述べた。
今回の議会の調査が実現した背景には、クーパンのロビー活動が大きな役割を果たした可能性もあるとみられている。今回の書簡を送付したジョーダン委員長の政策・戦略担当首席補佐官を務めたタイラー・グリム氏は、現在クーパン側のロビイストとして登録されている。グリム氏が所属する「ミラー・ストラテジーズ」はトランプ政権下でワシントンにおける影響力が急浮上したロビー会社であり、代表のジェフ・ミラー氏はトランプ大統領とマイク・ジョンソン下院議長との直通ルートを持つ人物として知られる。
米下院司法委は先月26日、トランプ大統領が韓国に対する関税を25%に再度引き上げると表明した際、これを「クーパン」と結びつける動きも見せた。当時、下院司法委の共和党側はソーシャルメディア「X」への投稿で、トランプ大統領の関税引き上げ投稿をシェアし、「これはクーパンのような米国企業を不当に標的にすると発生することだ」と主張した。クーパン本社はこの日声明を発表し、「資料提出や証言など米下院司法委の調査に誠実に協力する」と述べた。