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ゼレンスキー大統領、金正恩委員長に捕虜交換を提案…北朝鮮兵の3分動画を公開

登録:2025-01-13 09:17 修正:2025-01-13 09:50
12日(現地時間)ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が北朝鮮兵の姿が映った動画を公開した。動画でこの兵士は、北朝鮮に戻りたいかとの質問にウクライナに住みたいと答えている=ゼレンスキー大統領のXより//ハンギョレ新聞社

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が12日(現地時間)、ロシアに抑留されたウクライナ兵と交換することを条件に、捕虜にした北朝鮮兵を引き渡すことが可能だと明らかにした。

 ゼレンスキー大統領はこの日、X(旧ツイッター)に韓国語で「ウクライナは、金正恩がロシアに抑留されているウクライナの戦争捕虜と北朝鮮兵の交換を手配できるならば、金正恩に自国民を引き渡す用意がある」と投稿した。前日の11日、ロシア領のクルスク州で北朝鮮兵2人を捕らえたと発表した後、捕虜の交換条件を明らかにしたもの。ゼレンスキー大統領は「北朝鮮から初めて捕虜になった兵士以外にも、(捕らえられるであろう)他の兵士がいるのは疑う余地もない」とも書いた。ウクライナはこれに先立ち、今回捕らえて尋問している北朝鮮兵は、それぞれ2005年生まれ(20歳)と1999年生まれ(26歳)だとし、2人の写真とロシアで発行された軍用身分証などを公開した。

 ゼレンスキー大統領は「帰還を望まない北朝鮮兵には、別の方法がありうる」とした後に、「特に、この戦争に対する真実を韓国語で広く知らしめ平和を早めようと考える韓国人にも、このような機会があるだろう」とも述べた。

 ゼレンスキー大統領は、ウクライナ保安局が捕らえた2人の北朝鮮兵が質問に答える様子を映した動画も公開した。2分55秒間のこの動画で、質問者は朝鮮語で北朝鮮兵に話しかけた。これに先立ち、ウクライナ保安局は韓国の国家情報院と協力し、韓国人通訳を通じて北朝鮮軍とコミュニケーションを取っていることを明らかにしている。

 調査の過程で北朝鮮兵の1人は北朝鮮に戻りたいかとの質問に「ウクライナの人たちはみな良い人たちですか」と問い返し、「ここで暮らしたい」と述べたりもした。両手に包帯を巻いてベッドに横たわった状態で対話をしたこの兵士は、「家には送ってくれないでしょうね」と言い「(家に)帰れというなら帰る」と答えながらも、ウクライナに残れというのであればそうすると言って首を縦に振った。

10日(現地時間)イタリア・ローマに訪問したウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領=EPA/聯合ニュース

 この北朝鮮兵は、質問者が「今ここがどこなのかわかるか」と聞くと、首を横に振ったりもした。質問者が「君はウクライナにいる。ウクライナを相手に戦うことを知っていただろう。知らなかったのか」と尋ねると、この兵士は知らなかったという意味で首を縦に振った。さらに、指揮官は誰と戦うと言ったのかという問いには、「訓練を実戦のように実施すると言いました」と答えた。これに先立ち、国家情報院は、捕虜となった北朝鮮兵が戦争ではなく訓練を行うために移動するものと認識しており、ロシアに到着してから初めて派兵されたことを知ったと述べたことを明らかにしたが、これに対応する陳述だ。この兵士は3日から前線にいたと述べた。この兵士は「3日に(前線に)出て、隣で仲間が死ぬのを見て、そこの防空壕に隠れていて、5日に負傷した」と述べた。5日はウクライナがクルスク州で新たに大規模攻勢を行った日でもある。

 あごを負傷して話せない別の兵士は、北朝鮮に家族がいるのかとの問いに何度もうなずき、両親は自分の所在地を知っているかという質問には首を横に振った。北朝鮮に戻りたいかと尋ねると、そうだというふうに首を縦に振った。

12日(現地時間)、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が北朝鮮兵の姿が映った動画を公開した。あごを負傷して話ができないこの兵士は北朝鮮に戻りたいかとの質問に首を縦に振った=ゼレンスキー大統領のXより//ハンギョレ新聞社

 ウクライナの北朝鮮兵捕獲は、米国のドナルド・トランプ次期大統領の就任(1月20日)を控え、両国の戦闘が激化した状況でなされた。ウクライナがクルスク州への攻撃を始めた後、ロシアも反撃に出た。英国のテレグラフ紙によると、クルスク州のロシア人軍事ブロガーが、ロシア軍がウクライナの攻撃を撃退し、現在陣地を占領していると述べたという。ロシアはこの日、ウクライナ東部ドネツク州のヤンタルネとハルキウ州のカリノベ地域も掌握したと主張した。

ベルリン/カン・イェジ特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1177548.html韓国語原文入力:2025-01-13 08:25
訳M.S

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